沖縄本島の肉用繁殖山羊農場において,ボアー種1頭が食欲不振及び起立不能を呈し死亡した.剖検では,腸間膜及び肝臓リンパ節の腫大が認められた.組織学的には,潰瘍形成を伴う肉芽腫性回腸炎,腸間膜リンパ節及び結腸リンパ節の壊死性肉芽腫性リンパ節炎がみられた.同組織のグラム染色では,病変部のおもにマクロファージ内にグラム陽性菌がみられ,抗
Rhodococcus(R.)equi兎血清を用いた免疫組織化学的染色では,同マクロファージ内に陽性反応が認められた.細菌学的には,肝臓,脾臓,肺,腸管及び腸間膜リンパ節から
R. equiが分離され,病原性プラスミドの毒力関連抗原の遺伝子検索の結果,すべて無毒株に分類された.以上のことから,本症例はロドコッカス・エクイ感染症と診断された.本症例は山羊でロドコッカス・エクイ感染症と診断された国内初の報告である.
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