牛小型ピロプラズマ病が発生している北海道・釧路管内の2共同牧野において,マダニの
Theileria orientalis(TO)保有率,TO感染牛の入牧率,及び入牧後の感染陽転率を,PCR検査を用いて調査し,殺マダニ剤によるマダニ対策の効果を検証した.両牧野とも3種類のマダニ(
Ixodes persulcatus,
I. ovatus及び
Haemaphysalis douglasi)のみが採取され,すべての種からTO遺伝子が検出された.また,TO保有牛が入牧時において多数認められた.両牧野とも牛体に対するマダニ対策を3年間継続することで,マダニのTO保有率,牛の感染陽転率及び貧血の発生が低減した.小型ピロプラズマ病の対策には,放牧牛と媒介マダニのTO感染状況の定期的なモニタリングとマダニ対策の継続が重要と思われた.
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