日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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68 巻, 7 号
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 福井 陽士, 小川 明宏, 塚原 涼子, 新井 鐘蔵
    原稿種別: 短報
    2015 年68 巻7 号 p. 429-433
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/08/20
    ジャーナル フリー
    2013年2月,A肥育農場で導入後4日以内の65~75日齢の豚群で1~2頭が痙攣,起立不能を呈し,死亡する事例が3回続発した.また同年9月には一貫経営B農場で子豚ハウスへ移動直後の約50日齢の同一豚房の子豚10頭が同様の症状を呈して死亡した.2農場の症例について病性鑑定を実施したところ,剖検では著変はみられず,病理組織学的検査で大脳実質と髄膜への好酸球浸潤及び大脳皮質の層状壊死がみられた.血清の生化学検査でナトリウムイオン濃度と塩素イオン濃度の上昇がみられ,これらの症例を豚の食塩中毒と診断した.また,ナトリウムイオンが上昇している個体では,血清浸透圧の著しい上昇がみられ,BUNの上昇とも連動していた.疫学調査で給水管理に不備があったことから,当該豚は飲水が不十分であったことが食塩中毒の原因と考えられた.豚の食塩中毒では,血清浸透圧測定は,脱水の程度を判定する上で有用であると考えられる.
  • 笹倉 春美, 橋本 宰昌, 畠中 みどり, 山本 直史
    原稿種別: 短報
    2015 年68 巻7 号 p. 434-437
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/08/20
    ジャーナル フリー
    子牛の臍部異常には臍帯炎や尿膜管遺残等が挙げられるが,触診や視診のみでは診断と治療法の選択は困難である.今回,臍部異常を示した子牛8頭に対して,超音波診断装置を用い,膀胱,尿膜管及び臍部を精査し,処置法を選択した.局所的な臍帯炎と診断した3頭のうち,臍部に膿汁様物の貯留を認めた2頭で臍部の摘出手術を行った.また尿膜管遺残が認められた5頭のうち4頭で,尿膜管内や臍部に膿汁様描出所見を認めたので尿膜管及び臍部の摘出手術を行った.膿汁様所見のみられなかった1頭は排尿困難となったため,尿膜管の摘出手術を行ったが,尿膜管と臍動脈の遺残及び膀胱と尿道の癒着がみられ,予後不良であった.子牛の臍部異常において,超音波検査を実施することで,診断及び治療方法の選択が容易であった.
  • 川嶌 健司, 笹野 憲吾, 入部 忠, 川島 悠登, 瀧 麻香, 瀬尾 泰隆
    原稿種別: 資料
    2015 年68 巻7 号 p. 438-440
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/08/20
    ジャーナル フリー
小動物臨床関連部門
  • 和田 悠佑, 山本 亮平, 北村 憲彦, 秋吉 秀保, 長谷川 貴史, 嶋田 照雅, 大橋 文人, 久保 喜平
    原稿種別: 原著
    2015 年68 巻7 号 p. 441-446
    発行日: 2015/07/20
    公開日: 2015/08/20
    ジャーナル フリー
    2009~2012年に大阪府立大学獣医臨床センターで,高エネルギーX線による放射線治療を行った鼻腔内腫瘍の犬24例について回顧的調査を行った.4MVのX線を用い,1回線量5.0~5.9 Gy,週1.9~3.3回,照射回数7~8回,総線量35.0~47.2 Gyの治療(TDF値87~120)を実施した症例について検討を行った.併用治療を行った症例を含む全例の生存期間中央値は260日で,篩板構造が維持されている症例では生存期間が有意に長かった.照射前の外科手術や対症療法により症状が改善していた症例を除く19例中15例(79%)で改善がみられ,確認した放射線障害は軽度であった.これらの結果はTDF値を基に立案する治療計画の有効性を示唆しており,治療計画に制限のある症例に対し,有効な選択肢となりえる.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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