犬の重要な神経系感染因子である
Toxoplasma gondiiと
Neospora caninumの感染状況を知るために,組換え抗原を用いたELISAにより2014年に奈良県,兵庫県,和歌山県及び香川県で飼育されていた臨床上健康な家庭犬1,979頭について抗体調査を実施した.
T. gondiiと
N. caninumの陽性率はそれぞれ7.0%,4.2%で,1.2%が両抗体陽性であった.
T. gondiiの陽性率は屋外飼育犬と雑種犬でそれぞれ11.0%,11.3%と,高い値を示した.
T. gondiiと
N. caninumの陽性率はともに1歳以降,加齢に伴い上昇した.しかしながら,1歳未満で
T. gondii陽性例がまったく検出されなかったのに対して,11.1%で
N. caninum陽性を示した.以上の知見は日本の家庭犬において状況や条件により
T. gondiiと
N. caninumの高い感染リスクが存在していることを示唆するものである.
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