日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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69 巻, 2 号
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 清水 和, 秋山 昌紀, 兼廣 愛美, 桑山 勝, 小西 美佐子
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻2 号 p. 87-92
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
    2012年1月に県内の肉用牛肥育農家2戸で呼吸器病が発生し,牛パラインフルエンザウイルス3型(BPIV3)HS8及びHS9株が分離された.遺伝子解析の結果,両株の塩基配列は大きく異なっており,HS8株は国内標準株と同じgenotype A(BPIV3a)に,HS9株は2011年に報告された中国分離株と同じgenotype C(BPIV3c)に分類されることが判明した.わが国ではこれまでBPIV3aしか分離報告がなく,本事例が国内初のBPIV3c分離報告となる.本事例により,国内に少なくともBPIV3a及びBPIV3cの2種類の遺伝子型のBPIV3が存在することが明らかとなった.HS9株とBPIV3aの部分塩基配列を比較した結果,両者の相同性は現行のRT-PCR法で用いるプライマーが標的とするP遺伝子領域で最も低く,同プライマーではBPIV3b及びBPIV3cを検出できない可能性があることが示された.したがって,今後国内の牛パラインフルエンザ対策のために,全遺伝子型のBPIV3を検出可能なウイルス遺伝子検査法を開発する必要があると考える.
  • 髙橋 英二, 山田 一孝, 古林 与志安, 猪熊 壽
    原稿種別: 短報
    2016 年69 巻2 号 p. 93-96
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
    7歳6カ月齢のホルスタイン種乳牛が顕著ないびき音を呈し,さらに左側頬骨部の一部で波動感を有する腫瘤が触知された.頭部X線検査により上顎洞内への液体貯留と上顎第3後臼歯の歯槽骨の融解が認められ,歯性上顎洞炎に継発する大型膿瘍であることが推察された.病理解剖により病変は上顎洞内膿瘍であることが明らかとなった.牛における頭部X線検査が上顎洞内膿瘍の診断及び病態の把握に有用であった.
小動物臨床関連部門
  • 福井 祐一, 福井 祐子, 吉村 啓太, 猪熊 壽
    原稿種別: 短報
    2016 年69 巻2 号 p. 97-100
    発行日: 2016/02/20
    公開日: 2016/03/20
    ジャーナル フリー
    Anaplasma phagocytophilumはマダニが媒介するリケッチアである.人及び動物の顆粒球性エーリキア症の原因菌として知られている.海外渡航歴のないシーズー,避妊雌,3歳齢がマダニ刺咬後1週間後に元気食欲の低下と発熱を呈し,血液検査では血小板減少,軽度の好中球減少,肝酵素及びCRPの上昇を認めた.血清A. phagocytophilum抗体が弱陽性を示し,EDTA全血のPCR検査にてA. phagocytophilumが陽性を示したことから,A. phagocytophilum感染症と診断した.ドキシサイクリンによる治療を開始したところ,明らかな臨床症状の改善と,血小板数及び好中球数の顕著な増加を認めた.本例は犬における本邦初のA. phagocytophilum感染症の報告である.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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