日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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69 巻, 3 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 樋口 徹, 井上 哲, 佐藤 正人, 後藤 忠広
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻3 号 p. 133-137
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    近位指(趾)節間関節固定術は重度の変形性関節症,亜脱臼,関節部での骨折に適応される.今回,4頭の馬において3穴ナローlocking compression plate(LCP)と関節貫通スクリューとして3〜4本の5.5mm皮質骨スクリューを用いた内固定を行った.症例馬は,3頭がサラブレッド繁殖雌馬,1頭はサラ系障害飛越競技馬であった.1頭は前肢の近位指節間関節の亜脱臼,1頭は後肢の近位趾節間関節の亜脱臼,2頭は変形性関節症で,前肢と後肢が1頭ずつであった.手術は吸入麻酔下で仰臥位で行い,関節を開けてできる限り関節軟骨を除去し,関節貫通スクリューが関節の掌(底)側を引き寄せるように挿入し,次いでLCPを軸側に置いて関節全体を圧着させるように5.5mm皮質骨スクリューとlocking head screw(LHS)で固定した.術後はハーフリムキャストを3〜4週間装着した.この方法は強度に優れ,安定した関節固定が可能であった.症例馬の疼痛は徐々に緩和し,10〜12週間後には放牧あるいは速歩運動が可能であった.
  • 阿部 祥次, 飯塚 綾子, 藤田 慶一郎, 濱谷 景祐, 播谷 亮, 川嶌 健司
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻3 号 p. 138-142
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,豚流行性下痢(PED)の免疫組織化学的染色(IHC)で最も診断的価値が高い腸管の部位とPEDの検出に必要な頭数を調べ,IHCによる診断の特異性と有効性を改善することである.PEDを発症した18農場の56頭を調べた.腸管の各部位についてPEDウイルスに対するIHCを行い,農場ごと及び腸管部位ごとの陽性率を調べた.さらに小腸における絨毛と陰窩の長さの比(絨毛の萎縮比率)とIHCの陽性面積を計測した.陽性豚の割合は,1農場が33%(1/3頭)でほかの農場はすべて60%(3/5頭)以上であった.回腸下部はIHC陽性率が100%であり,最も高値であった.絨毛の萎縮比率は材料間に差はなく,陽性面積は回腸が空腸より有意に高かった(P<0.05).以上のことから,発症豚3頭の回腸下部についてIHCを実施することで,PEDの正確かつ効率的な診断ができると考えられた.
小動物臨床関連部門
  • 川口 博明, 笹竹 洋, 野口 倫子, 秋岡 幸兵, 三浦 直樹, 武石 嘉一朗, 堀内 正久, 谷本 昭英
    原稿種別: 短報
    2016 年69 巻3 号 p. 143-146
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    近年,動物の乗り物による移動の機会が増えている.動物福祉の観点から,輸送ストレスを軽減する対策が必要になってきている.今回,輸送ストレスによる乗り物酔い症状(嘔吐,流涎,元気消失)を示す11頭の犬に対して,より副作用の少ない輸送ストレス軽減のための新規鍼治療を試みた.この鍼治療は円皮鍼という貼り付けるタイプの鍼を経穴「耳尖(じせん)」に装着する簡便な方法であり,全例の嘔吐,流涎,元気消失を抑制した.今後,獣医診療に鍼治療が利用されていくことが期待される.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 作井 睦子, 大野 博士, 大西 綾衣, 奥  祐三郎
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻3 号 p. 147-151
    発行日: 2016/03/20
    公開日: 2016/04/20
    ジャーナル フリー
    北海道では,豚及び馬の肝臓から多包条虫(Echinococcus multilocularis)の幼虫である多包虫の寄生に起因した結節病巣がしばしば認められるが,牛での報告はない.そのため,北海道で生産した牛36例の肝臓に認められた小結節病巣を組織学的に検索したところ,5例で線虫または線虫様構造物を認め,1例は指状糸状虫(Setaria digitata),3例は肝毛細線虫(Calodium hepaticum)または肝毛細線虫様寄生虫,1例は同定不能の線虫であった.また,真菌性肉芽腫性炎が1例,ボトリオミコーシスが1例認められた.ほかに,寄生虫性好酸球性肉芽腫,微小膿瘍,リンパろ胞形成,胆管炎,結節性増生,脂肪壊死及び陳旧性肉芽腫が認められたが,多包虫は検出されなかった.
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