日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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69 巻, 7 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 萩原 精一, 菅野 智裕, 伊藤 純一, 廣田 和久, 永野 昌志, 片桐 成二
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻7 号 p. 383-388
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2016/08/20
    ジャーナル フリー

    性選別乳牛精液が産子の性別,母牛の分娩後生存率に与える影響を明らかにするために道内16農業共済組合により人工授精されたホルスタイン種母牛379,468頭と,その産子の診療履歴を調査した.性選別乳牛精液による雌産子の出生割合(初産牛92.3%,経産牛89.4%)は,通常乳牛精液(初産牛49.1%,経産牛45.4%)より有意に高かった(P<0.01).性選別乳牛精液により受胎した経産牛の死産発生率(6.1%)は通常乳牛精液で受胎した場合(7.7%)より有意に低かった(P<0.01).性選別乳牛精液により受胎・分娩した初産・経産牛の分娩後1年生存率は,通常乳牛精液より有意に高かった(P<0.01).本研究の結果から性選別乳牛精液の利用により,雌産子の出生は増加し,かつ母牛の供用年数は高まることが示唆された.

  • 矢口 裕司, 松林 誠, 板橋 知子, 藤井 勇紀, 小貫 登輝夫, 笹井 和美, 小林 勝, 芝原 友幸
    原稿種別: 短報
    2016 年69 巻7 号 p. 389-393
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2016/08/20
    ジャーナル フリー

    削痩が認められた83日齢の肥育豚2頭について,病性鑑定を実施した.2頭ともに潰瘍性大腸炎が広範囲に認められ,病変部組織には多数のEntamoeba属原虫の栄養型が認められた.遺伝子解析の結果より,同原虫はE. poleckiサブタイプ3であった.病理学,細菌学及びウイルス学的検索から,この原虫が病態発現に関与したことが示唆された.

小動物臨床関連部門
  • 駒澤 敏, 柴田 真治, 酒井 洋樹, 伊藤 祐典, 川部 美史, 村上 麻美, 森 崇, 丸尾 幸嗣
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻7 号 p. 395-400
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2016/08/20
    ジャーナル フリー

    岐阜県で犬腫瘍登録制度を立ち上げ,平成25年度の家庭犬飼育状況,腫瘍発生,粗腫瘍発生率の疫学調査を実施した.県内動物病院の33.6%から届出があり,731例の解析を行った.飼育頭数(狂犬病注射接種頭数)と推計腫瘍症例数(調査用紙の回収率)から犬種ごとの粗(悪性)腫瘍発生率を算出し,全体では1.5%(0.6%)であった.発生率が高い(P<0.05)犬種は,ダックスフンド2.6%(1.3%),シー・ズー2.4%,シュナウザー2.5%(1.4%),パグ3.8%(1.9%),ウエルシュ・コーギー3.3%(2.2%),ビーグル2.2%(1.4%),シェットランド・シープドッグ3.2%,フレンチ・ブルドッグ3.2%(1.3%),ラブラドール・レトリバー3.2%(2.5%),ゴールデン・レトリバー2.7%(2.2%),バーニーズ・マウンテンドッグ8.2%(7.1%)であった.低い(P<0.05)犬種はプードル1.1%(0.3%),チワワ0.5%(0.3%),ポメラニアン0.9%,柴犬0.7%(0.3%)と雑種1.0%(0.6%)であった.

  • 大脇 啓嗣, 伊藤 祐典, 川部 美史, 村上 麻美, 柳井 徳磨, 酒井 洋樹
    原稿種別: 短報
    2016 年69 巻7 号 p. 401-404
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2016/08/20
    ジャーナル フリー

    鼻咽頭ポリープは,猫でみられる中耳あるいは耳管に由来する非腫瘍性の有茎性の腫瘤状病変で,外耳道に突出したものは,外耳道に由来する腫瘍性病変との鑑別が必要となる.今回,外耳道に突出した鼻咽頭ポリープ4例の細胞学的特徴の診断上の有用性を検討した.いずれの症例の鼻咽頭ポリープの切除組織の押捺標本においても,多数の好中球やマクロファージ,少数のリンパ球や形質細胞ともに,一端に赤紫色の線毛を有する上皮細胞が孤在性や柵状の集塊状に塗抹された.組織学的には,これらの線毛上皮細胞は,ポリープを覆う線毛を有する偽重層上皮細胞であり,線毛上皮細胞の存在は,中耳あるいは耳管に由来するとされる猫の鼻咽頭ポリープの特徴的な細胞学的所見と考えられた.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 中川 友理, 太島 勇気, 鹿嶋 傳, 小田 和則, 梶木 富美恵
    原稿種別: 原著
    2016 年69 巻7 号 p. 405-409
    発行日: 2016/07/20
    公開日: 2016/08/20
    ジャーナル フリー

    神奈川県食肉衛生検査所で過去16年間に検出された牛の腫瘍を回顧的に検索し,5例の子宮内膜腺癌を見出し,これらの臨床及び病理学的特徴を解析した.その結果,症例はすべてホルスタイン種で,平均年齢は5.8歳であった.肉眼所見では,病勢が進行した症例の子宮角及び子宮体壁はび漫性に肥厚し,硬度強であった.子宮腫瘍の表面にクレーター状陥凹を形成するものが4例,子宮角のくびれが1例あった.すべての症例に転移がみられ,うち3例は播種性転移していた.組織所見では,いずれも高度な間質結合組織の増生を伴い,腺管形成を示すものが4例,腺管形成の不明瞭なものが1例あった.免疫組織学的検査では,5例すべてで腫瘍細胞がサイトケラチンに陽性,ビメンチンに陰性であった.なお,生前に直腸検査が行われた3例中2例では,子宮硬化が指摘されており,病勢によっては生前診断が可能と考えた.

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