日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
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69 巻, 9 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 桑原 康人, 石野 明美, 桑原 典枝, 西飯 直仁, 高島 諭, 松原 達也, 北川 均
    原稿種別: 原著
    2016 年 69 巻 9 号 p. 533-537
    発行日: 2016/09/20
    公開日: 2016/10/20
    ジャーナル フリー

    尿蛋白をディップ・スティック(DP)法と乾式生化学分析装置(乾式法)による尿蛋白/尿クレアチニン比(UPC)で評価し,液体法によるUPCと比較した.DP法による判定が-であれば非蛋白尿(UPC<0.2)であった.±,+,2+の場合は非蛋白尿だけでなく,ボーダーライン(犬UPC 0.2〜0.5,猫0.2〜0.4)や蛋白尿(犬UPC>0.5,猫>0.4)も示し,UPC測定の必要があると考えられた.犬,猫とも,乾式法と液体法によるUPCは高い相関係数を示し,乾式法は液体法の代用になると考えられた.ただし,乾式法によるUPCは液体法によるUPCより高い値を示し,補正式(犬y=0.8851x-0.1316,猫y=0.7227x-0.0093)を用いた液体法によるUPCへの換算値を用いるほうがよいと考えられた.

  • 相馬 武久, 河口 雅登, 髙木 洋史, 齊藤 奈美子
    原稿種別: 短報
    2016 年 69 巻 9 号 p. 538-541
    発行日: 2016/09/20
    公開日: 2016/10/20
    ジャーナル フリー

    ワクチン接種後の経過年数と犬ジステンパーウイルス(CDV),犬パルボウイルス2型(CPV-2),犬アデノウイルス1型(CAdV-1)及び犬アデノウイルス2型(CAdV-2)の免疫状態を24カ月齢以上の犬178頭の血清を用いて抗体検査により検討した.その結果,ワクチン効果の保有率及び抗体価は4ウイルスともに経過年数に伴い減少する傾向が観察された.さらに抗体価の変動係数を検討したところ,ワクチン接種後2年以降,CDV,CAdV-1及びCAdV-2において顕著な上昇が観察された.以上の成績から,特にワクチン接種後長期間経過している例では抗体価が減弱している例が多く,そのために免疫状態の個体差が大きくなるものと思われる.このため,特に免疫介在性疾患等の理由でワクチン接種を避けるべき例に対して定期的な抗体検査により免疫状態をモニタリングする必要性があると思われる.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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