環境材料を用いたヨーネ菌検査(環境検査)が,農場レベルのヨーネ病スクリーニング検査として有用か検証した.29農場で感染牛の摘発時に環境検査を実施した.各農場の環境検査結果と感染牛の糞便1g中のヨーネ菌生菌数(排菌量)の関係をロジスティック回帰モデルで評価した.環境検査の陽性確率は感染牛の排菌量が多い農場ほど高く,同確率が90%となる排菌量は7.8×101CFU/gであった.環境検査は排菌量の低度な牛が在籍する農場を摘発可能で,省力的であることから,環境検査を頻回実施することで国内のヨーネ病防疫の進展に寄与できると考えられた.
2014年8月,三重県内の養豚場において,1週齢以下の豚が黄色水様下痢を呈した.発生から8日間で下痢は終息したが,その間,計15頭が死亡した.剖検では共通所見として結腸間膜水腫が認められた.Clostridium difficile検出試薬を用いて結腸内容物を検査したところ,病変の認められた検体で抗原陽性と判定され,細菌学的検査により結腸や直腸からC. difficileが分離された.病理組織学的検査では結腸粘膜に特徴的な「噴火口状」の壊死が認められ,壊死部にはグラム陽性の桿菌及び芽胞が認められた.また,抗Clostridium属菌免疫血清を用いた免疫組織化学的検査では壊死部に陽性抗原が認められた.以上から,本症例はC. difficile感染症が疑われた.
5歳齢,避妊雌のアビシニアンが間欠的な嘔吐を示して来院した.上部消化管内視鏡検査を実施したところ,幽門洞に表面の滑沢な隆起病変が認められた.内視鏡生検を行い,リンパ球クローン性解析は陰性であったが,細胞診と病理組織検査の結果,胃のヘリコバクター感染と胃小細胞型B細胞性リンパ腫と診断された.抗がん剤は用いず,ヘリコバクター除菌療法によって30日間の治療を行った結果,症状は消失しリンパ腫は完全寛解に至った.1年後の病理学的検査において,ヘリコバクターの軽度の持続感染がみられたものの,胃粘膜のリンパ腫の再発は認められなかった.