重度の心臓病変を認めた牛のHistophilus somni 感染症事例について病理学的に解析するとともに,本症例分離菌株(本分離株)の主要外膜蛋白質(MOMP)の抗原型及び培養細胞(EBTr 細胞)に対する傷害性を過去の県内分離株2株(脳炎由来株及び肺炎由来株)と比較した.患畜は絨毛心(線維素性心外膜炎)を認め,心等からH. somni を分離した.MOMP抗原型別の結果,本分離株及び肺炎由来株は3c型に,脳炎由来株は1型に分類された.培養細胞に対する傷害性を株間で比較するため,上記3株をEBTr 細胞に接種したところ,本分離株及び肺炎由来株は脳炎由来株と比較して細胞傷害性は軽微であった.以上の結果から,絨毛心は比較的細胞傷害性の弱い本分離株が緩やかに細胞を傷害し慢性経過を辿ったことが一因で形成されたと考察した.
犬42頭の不妊手術に対し,麻酔導入15分前にブトルファノール(BTR)0.4mg/kgの静脈内投与もしくはモルヒネ(MOR)0.5mg/kgを皮下投与した群(pre-B群n=14,pre-M群n=14)と麻酔導入後に投与した群(post-B群n=7,post-M群n=7)に分類し,気管挿管に必要なアルファキサロン(ALFX)の麻酔導入量を検討した.ALFXの麻酔導入量は,pre-B群(1.59±0.26mg/kg)がpost-B群(2.45±0.36mg/kg)に対し35.1%の減少を示し,pre-M群(1.30±0.38mg/kg)はpost-M群(2.42±0.52mg/kg)に対し46.2%の減少を認めた(P<0.05).ALFXの麻酔導入量はBTR及びMORの麻酔前投薬により減少した.