2016年12月,岐阜県内黒毛和種繁殖農場で繁殖雌牛2頭が連続して死亡した.いずれの牛も可視粘膜蒼白,歩様蹌踉を呈していた.2頭目の牛の生前血液検査では,著しい貧血と低アルブミン血症が確認された.この牛を剖検したところ,第4胃内から大量の牛捻転胃虫Mecistocirrus digitatus が検出された.回収された虫体は,ほとんどが未成熟な第5期幼虫で,胃内容に含まれる虫卵は平均3.0/gであり,剖検をしていなければ,死因を牛捻転胃虫と特定できなかった.1例目の牛も,臨床所見から同様に牛捻転胃虫による失血死と考えられた.
逆行性尿路造影法は,造影剤投与量が過剰になると医原性膀胱破裂が生じ,不足すると評価不能となる.個体ごとの要因に起因して実際の造影剤投与量が著しく異なるものの,投与量の基準は体重でしか設定されていない.今回われわれは,膀胱内圧を基準とした造影剤投与量で,膀胱から尿道までの下部尿路全体の評価ができ,膀胱破裂のリスクもきわめて低減できる逆行性尿路造影CT検査法を考案し,正常犬で検討を行った.その結果,膀胱内圧が雄では15 mmHg,雌では20 mmHgとなる量で造影剤を投与すると,適切な膀胱尿道造影が可能であることが示唆された.