本研究では,北海道内の1酪農場に飼養されるホルスタイン種経産牛24頭のうち,分娩後ケトーシスを発症した12頭(ケト群)と発症しなかった12頭(対照群)を供試し,血中酸化ストレスマーカーと血液生化学性状を調査した.採血は両群ともに分娩前10~14日,分娩翌日,分娩後15日に実施した.分娩後15日の血中ヒドロペルオキシド,βヒドロキシ酪酸,非エステル型脂肪酸濃度,及びグリシン/アラニン比は,ケト群が対照群に比べて有意に高かった(P<0.05及びP<0.01).血糖値,メチオニン/グリシン比は,ケト群が対照群に比べて有意に低く(P<0.05),エネルギーに加えてタンパク質不足が推察された.以上より,移行期のケトーシスは脂質の過酸化が進み,ヒドロペルオキシド濃度が増加するため,酸化ストレスが関与している可能性がある.
1農場由来の60~65日齢の肉用出荷鶏約108万羽中55羽をアスペルギルス症と診断し,罹患鶏30羽を病理学的に検索した.病巣分布により23例が肺型,6例が皮膚型及び1例が全身型に分類された.肉眼的に,肺型では硬度を増した淡黄色結節が13例の肺及び全例の気囊に形成され,腹気囊が頻繁に罹患していた.同結節は皮膚型の翼及び大腿の両羽域と同周辺に好発し,全身型の肺,気囊,肝臓,腎臓及び心臓に存在した.組織学的に,結節はアスペルギルス属の形態学的特徴を有する菌糸を伴う多数の肉芽腫の癒合により構成されていた.皮膚型の結節は羽包を中心に形成されていた.全身型の肺の小動脈壁の内膜に菌糸を伴う肉芽腫が形成され,真菌の血行性播種が示唆された.