日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
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74 巻, 6 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 大橋 郁代, 古田 信道, 佐藤 遼太, 福澤 知夏, 木﨑 あゆみ, 小菅 千恵子, 上野 勇一, 髙松 大輔
    原稿種別: 原著
    2021 年74 巻6 号 p. 367-375
    発行日: 2021/06/20
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー

    山形県,岩手県及び神奈川県で,気腫疽に類似する重度の全身性皮下気腫を伴った子牛の急死事例が認められ,すべての症例からPaeniclostridium sordellii が分離された.これら皮下気腫症例由来P. sordellii 5株と,気腫が認められなかった牛と羊の症例由来の同菌種25株の病原性遺伝子(tcsLtcsH 及びnanH )保有状況を比較した結果,両者に違いはなく,またハウスキーピング遺伝子に基づく系統解析において皮下気腫症例由来株が特定の系統に属することはなかった.薬剤感受性試験では,いずれの株もペニシリンに高い感受性を示した.本報では,P. sordellii が牛に皮下気腫を起こすことが初めて示唆され,気腫の形成には,菌株の特性よりも宿主や飼養環境など他の要因が関与する可能性が高いと考えられた.

  • 中村 聡志
    原稿種別: 原著
    2021 年74 巻6 号 p. 376-381
    発行日: 2021/06/20
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー
    乳牛の蹄関節炎の予後及びリスク因子を解明することを目的として,ホルスタイン種乳牛の経産牛の蹄角質疾患罹患牛514例と蹄関節炎罹患牛45例の過去4年間のカルテ記録と畜主へのアンケート調査結果を用いて,蹄関節炎罹患牛の治癒割合と農場在籍日数の算出及びリスク因子解析を実施した.蹄関節炎罹患牛の治癒割合は断趾術群で61.1%,局所治療群で3.8%であった.また,蹄関節炎罹患牛の農場在籍日数の中央値は断趾術群で272日,局所治療群で21日であった.蹄関節炎のリスク因子解析では,分娩後日数0~60日(オッズ比=3.05,95%信頼区間=1.32~7.04)が有意な因子として抽出され,蹄関節炎に罹患するリスクは,分娩後の環境変化や代謝的な変化との関連が示唆された.
小動物臨床関連部門
  • 中本 裕也, 溝口 倫生, 中本 美和
    原稿種別: 短報
    2021 年74 巻6 号 p. 383-387
    発行日: 2021/06/20
    公開日: 2021/07/20
    ジャーナル フリー
    3カ月齢の雄のラグドールが突然の四肢の起立困難を主訴に主治医を受診し,翌日に紹介来院した.麻酔下のX線検査では異常所見が認められなかったが,MRI検査にて環軸椎背側領域の脊髄実質における信号強度異常,脳脊髄液検査にて出血を示唆する所見が認められたことから,外傷性環軸椎不安定症が疑われた.頸部の外固定,運動制限,投薬,理学療法といった内科的治療により,経過は良好であった.経時的なMRI検査にて損傷の疑われた脊髄実質における病変部位が空洞化していたことから,神経症状の将来的な残存が示唆された.猫の環軸椎不安定症に対して継時的なMRI検査によって脊髄実質の評価を行うことは,予後判断に有用であると考えられた.
獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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