日本獣医師会雑誌
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最新号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
  • 中谷 敦子, 手塚 聡, 宮根 和弘, 加藤 千絵子, 楠本 正博
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 8 号 p. 491-496
    発行日: 2021/08/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    2010~2018年に北海道十勝管内で牛から分離された大腸菌のコリスチン(CL)に対する耐性率は19.6%(9/46)であり,耐性株はすべてCL投薬歴がない肉用牛由来であった.プラスミド伝達試験を実施したところ,4株についてCL耐性遺伝子(mcr)が,CL以外の薬剤への耐性とともに伝達することが確認された.CLのMIC値が2mg/l 以上の12株は,mcr-1mcr-3mcr-5 いずれかのCL耐性遺伝子を保有しており,そのうち8株は血清型O1,O26,O111の志賀毒素産生性大腸菌であった.本調査により,牛からCL耐性遺伝子を保有するCL耐性病原性大腸菌が検出されたため,抗菌薬の慎重使用により本菌の畜産物を介した人への伝播を防ぐ必要がある.

  • 林 淳, 石川 真悟, 津曲 圭太, 藏前 哲郎, 帆保 誠二
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 8 号 p. 497-502
    発行日: 2021/08/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    市場導入肥育素牛から気管支肺胞洗浄液(BALF)を採取し,微生物学的に検査するとともに,供試牛の導入後治療状況を調査した.BALFからの細菌分離検査では,Pasteurella multocida 及びMycoplasma bovis が分離された.また,ウイルス遺伝子検査では牛Respiratory syncytial(RS)ウイルス遺伝子が検出された.供試牛の導入後治療状況を調査した結果,牛RSウイルス遺伝子が全頭に確認された牛群では導入後に牛呼吸器病症候群治療を受けるまでの期間が早かった.これらの知見は,導入後の牛の気管支肺胞領域に肺炎原因菌あるいは原因ウイルスが存在することを示しており,予防としてのワクチネーションの徹底や使用する抗菌剤の的確な選定を含め,治療方針の決定に重要であると考えられた.

小動物臨床関連部門
  • 入江 充洋, 鵤 満, 伊藤 良一, 三好 拓馬, 栗谷川 優子, 藤木 範之, チェンバーズ  ジェームズ, 内田 和幸
    原稿種別: 原著
    2021 年 74 巻 8 号 p. 503-507
    発行日: 2021/08/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル フリー

    トラネキサム酸(以下,「TXA」)は,本邦では安全性の高い催吐薬と認識されており,犬の催吐薬として多く用いられている.しかし,TXAを用いた催吐処置後に重篤な有害事象を呈した2例を経験した.1例は投与数日後にショック状態となり死亡し,病理組織学的検査により肺動脈血栓,肝臓のび漫性うっ血及び腎臓にアミロイド沈着が認められた.他の1例は,TXA投与後にてんかん重積状態を発症したが,数日間の抗てんかん薬の投与にて改善した.そこで,TXAによる催吐処置後の有害事象発生状況を把握する目的で,臨床獣医師にアンケート調査を実施した.その結果,15%の獣医師が有害事象を経験していた.最も多い有害事象は痙攣であった.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
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