49日齢の黒毛和種子牛が元気消失,意識混濁,時折振戦などの神経症状を呈した.尿検査では糖尿及びケトン尿が認められた.血液検査で高血糖を示し,インスリン濃度は著しく低下(0.05 ng/ml 未満)していた.病理組織学的検査では,核が類円形,淡明で少量の弱好酸性細胞質をもつ細胞が膵島を占めていた.アルデヒドフクシン染色で膵島に陽性顆粒は認められず,抗インスリン抗体を用いた免疫組織化学では一部の膵島で極少量のインスリン抗原が確認された.以上の結果から,本例は膵島β細胞の低形成による糖尿病と診断された.