日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
78 巻, 8 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
産業動物臨床・家畜衛生関連部門
小動物臨床関連部門
  • 松本 佳奈, 吉村 久志, 常盤 俊大, 蕨 悠太, 岸本 拓也, 原田 知享, 播谷 亮, 山本 昌美
    原稿種別: 短報
    2025 年78 巻8 号 p. e95-e99
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/08/08
    ジャーナル フリー

    千葉県の犬で認められたHepatozoon canis 感染について報告する.症例は2024年3月に千葉県の山中で保護された年齢不詳の雌の雑種犬であり,乳腺腫瘍切除に伴い摘出された鼠径リンパ節において,病理組織学的検査により偶発的にHepatozoon属のメロントが検出された.また,血液塗抹標本では好中球細胞質内にガモントが認められ,さらに18S rRNA遺伝子解析によりH. canisと同定した.臨床的には異常所見を認めなかったが,本症例は国内で従来報告がなかった関東地方への本原虫の分布拡大を示唆する.したがって今後は,以前から流行地域とされている地域以外においても犬の原因不明の発熱や貧血を認めた際には,鑑別診断の一つとして本原虫感染症を考慮する必要がある.また,本原虫の伝播に関与するマダニの種の特定や,地域分布,野生動物を含めた疫学的調査の必要性が示唆される.

獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
  • 阿部 増美, 前田 学, 金子 和華子, 清宮 幸男
    原稿種別: 原著
    2025 年78 巻8 号 p. e100-e104
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/08/08
    ジャーナル フリー

    羽包細胞腫に罹患した46~50日齢の肉用鶏8例を病理学的に検索した.背側腰部や大腿外側を含むさまざまな皮膚領域に長径2~16 cmの楕円形,境界明瞭で硬固な淡黄色結節または隆起性塊状物が単在または多発していた.割面上,病巣は多数の空隙よりなり,内腔に淡黄色の乾酪物質を満たしていた.組織学的に,病巣は真皮に限局する多房性構造物であり,大きさと形状が多彩な囊胞により構成されていた.各囊胞は角化亢進並びに基底細胞及び棘細胞の過形成を伴う重層扁平上皮により内張りされ,内腔に羽枝及び小羽枝を含む羽組織の残遺物及び層状に集積したケラチンを満たしていた.基底細胞から羽上皮構造物への分化を伴う多房性囊胞により特徴づけられる組織像から,検索例は羽包細胞腫と診断された.本例は肉用鶏における羽包細胞腫の初報告である.

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