一口に強心剤と呼ばれるものにも作用機転に従って数種のものが分類せられる.
主として中枢性に働くもの, 心臓自体に働くもの, および主に末梢血管に作用するものなどが挙げられるが, もとよりこれらの作用を一部兼ね備えるものもある.カンファー類は第1, ジギタリス剤は第2, アドレナリンは第3の作用を主としている.「テラプチク」は第3の作用が顕著であると洞時に, また強い呼吸興奮の作用を持ち, ややアミノコルジン(欧米ではコラミンと呼ぶ)に似ている.しかし副作用, 静安全性などから見ても, これに勝っているといえよう.
ここにはバルビタール系麻酔剤の比較的大量を犬に用いた際に併用することにより, その呼吸麻痺などを防止し, 比較的長時間の麻酔が安全に得られることを実験した.またこの薬物が急性低血症(ショック)などに対し, 驚くべき効果を発揮することを, 2, 3の臨床例により知り得たので, あわせて数報告する.とかく無批判的になり易い強心剤の用い方についての検討という意味で参考となれば幸である.
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