牛肝蛭症の診断に, グロス反応, 及びコバルト反応が応用できるやいなやを検討するため, 新潟県下1市3郡のホルスタイン, 黒, 褐毛和種415頭を対象として, グロス, コバルト両反応, 及び血清総蛋白, 同分屑比を測定し, これらの結果と渡辺法による肝蛭虫卵検査成績とを対比した.
この結果, Fisherの直接確立計算法では, 肝蛭虫卵陽性群は, 陰性群に比し, グロス, コパルト両反応の陽性率は高かったが, 実際にこれらを診断の主なる手段として採用するにたるほど高度の適合率はえられなかった.
この原因としては, 年令, 種類などの要因が相当大きくグロス, コバルト反応の陽性発現頻度に影響を及ぼしていることが推定される.
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