日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
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29 巻, 3 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 原 忠孝
    1967 年 29 巻 3 号 p. 117-131_4
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    著者は第1報で,酵母の培養液から脱臭力を有する結晶を得,本物質はコハク酸の異性体てあらうと推定したことを報告した.たまたま,癌組織中ではコハク酸,およびコハク酸関係の酵素類に著しい消長があることを知り,マウスのEhr11ch腹水癌,Sarcoma180,ラツテの吉田肉腫等に試験したところ,いづれの腫瘍に対しても顕著な抗腫瘍性が認められた.
  • 大越 伸, 村田 義彦
    1967 年 29 巻 3 号 p. 133-140_1
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    先に本研究の第1報において,わが国の猫に自然感染した鉤虫にはA.tubaeformeとA.caninumの2種があることを認め,この場合の猫から得た A.caninum虫卵は,犬由来のA.caninumの虫卵に比較して長径と短径の比率が大きな数値を示し,その形態が長楕円形に変形していたことを述べた.なお,この事実については,猫へ人工感染した試験成績を次回に追記すると報じた.そこで今回は A.tubae一formeとA.caninumを猫へ人工感染させて採集した虫卵の形態を測定して,自然感染猫・犬から得た虫卵と比較し,さらに卿化したFilariform仔虫の形態を計測して比較した成績を記述する.従来,猫由来の A.jubaeforme虫卵と大由来のA.caninum虫卵の比較成績については,すでに野田,BURROWSらの報告があるが,猫に感染したA.caninum虫卵についての報告は,まだその例を見ない・猫へ人工感染させたA.caninum虫卵の形態は,長径と短径との比率が大きな数値,すなわち1.84±0.14を示して,長楕円形に変形していた.このことは著者らが既報した自然感染猫のA.caninum虫卵についての記載と同じであった.一方,犬由来のA.caninum虫卵の形態は,長径と短径の比率が1.64±0.11であって,前者よりも短楕円形であった.また猫由来のA.tubaeformeの虫卵は,長径と短径との比率が 1.56±0.12を示して,短楕円形であった.以上のことから,猫から排泄された不明鉤虫卵の種類同定には,長径と短径の比率を比較することが有効であると考えた.次にA.tubaeformeとA.caninumのFilarirorm仔虫について,形態上の検索を試みた成績によれば,Shcathの Striationの形状,運動性および体腔内顆粒の色調等の点で若干の相違はあるが,両種の仔虫を形態上で明らかに区別することは困難であった・
  • 三浦 定夫, 大島 寛一
    1967 年 29 巻 3 号 p. 141-150_3
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    従米,著者らは岩手県内に発生ずる牛白血病例について,細胞病理学的および病理組織学的研究を行なっている.その中で,生1)q著明な白血球の増数を来たし,症状発現後,約1カ月の経過でへい死した乳牛2例について 細胞学的観察を行なった.その結果,これらが単球白血病であることを確認した.血液所見上,白血球数はそれぞれ約20万および42万を算した.赤血球数はこれに反して漸減し,それぞれ200万および300万台を示した.末梢血液のメイーギムザ染色塗抹標本は,濃密に並ぶ単核細胞群を示し,好中球およびリンパ球は,きわめてまれにしか認められなかった.これらの1′11核細胞は,過酸化酵素反応が陰性で,核は,類円形を示すものから,各種各様の弯人を示すものなど,雑多である.しかし,いずれも核網はせん細であって,中には明瞭な核仁を示すものもある.またしばしば直接および間接分裂像力号忍められる.原形質は灰青色に染まり,広狭種々である.1例における骨髄液の塗抹標木では,同様の細胞が主体をなし,特に原形質の突起形成が著明に認められた.また,末梢血液に中性赤・ヤーヌス緑超生体染色を行なうと,所在細胞はほとんどすべて定型的中性赤ロゼットを形成ずる.墨粒寅喰能も,一部の細胞に認められた.なお,1片,肝,腎および脊髄管内増殖組織などのメイーギムザ染色塗"抹標本においても,出現細胞はおよそ末梢血液中に見られたものと同様の形態および染色性を示1ッ,単球の特徴を具えたものであった.
  • 渡辺 徹, 磯村 源蔵, 保田 幹男
    1967 年 29 巻 3 号 p. 151-158_4
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    The gross anatomy of distribution of the Nervus oculomotorius, Nervus trochle-aris, and Nervus abducens in the fowl was described and illustrated in detail on thebasis of 13 cases of complete dissection.The results obtained are shown in the following tables and plates.
  • 坪井 篤, 梅津 元昌
    1967 年 29 巻 3 号 p. 159-164
    発行日: 1967/06/25
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    著者らは,家畜の栄養理学における諸問題を,細胞の段階において検索している.すでに,ラット腎臓組織からintactの状態で細胞を遊離させ,その酸素消費能の測定が可能であることを確かめて報告した.今回は,細胞の酸素消費能を指標として,グルコース代謝と血清との関係を追究した.その結果は,次のとおりである.I)細胞の酸素消費能は,5.5mM/lグルコース以下の濃度に影響されない.2)細胞の酸素消費能は,血清の添加より増加する・3)2%血清と5.5mM/lグルコースとが共存する掲合は,細胞の酸素消費-1jl.::(.1;2それぞれの質基を弔-・一に用いた場合よりも,かなり値を示した.4)細胞の酸素消費1fレは,透析血清の内液および外液に影響されない5)透析血清の内液と5.5mM1lグルコースとの共存-ドでは,細胞の酸素消費能は増加する.透析血清の外液と5.5mM1/lグルコースとの共存下では,細胞の酸素消費能は増加しない.これらの結果は,血清の高分子物質と細胞のグルコース代謝が密接な関係にあることを示唆するものであろう.すなわち,血清1.1-按)1′."-,′イ分子物質が,細胞のグルコース代謝に直接,あるいは間接的に関Ij,するものと考えられる.
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