日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science)
Online ISSN : 1881-1442
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50 巻, 3 号
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  • 内田 英二, 一条 茂, 後藤 仁, 中島 清香, 納 敏
    1988 年 50 巻 3 号 p. 597-604
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    SPFネコと普通ネコについてイヌパルボウイルス(CPV)を接種し, 臨床, 血液, 骨髄および病理学的所見について検討した. SPFネコは接種後特に異常を認めなかったが, 普通ネコでは元気食欲減退, 下痢, 嘔吐および一過性の発熱を認め, 接種後4日に1例が死亡した. SPFネコでは白血球数が軽度に減少したのみであったが, 普通ネコでは白血球数が激減し, 好中球, リンパ球の有意な減少がみられた. 骨髄像においては顆粒球,赤芽球が減少し, 普通ネコでは有核細胞数が激減していた. 病理学的には, 肉眼所見で小腸粘膜面の出血性変化, 胸腺の萎縮, 腸間膜リンパ節の腫大, 組織所見で小腸絨毛の萎縮, 胸腺, 腸間膜リンパ節におけるリンパ球減少, 骨髄有核細胞の減少, さらに小腸, リンパ系組織および骨髄で核内封入体などを認めた. HI抗体価は, 接種後3~5日から急速に上昇し, 7日には最高値となった. CPVは, 接種後5日の腸管, 腸間膜リンパ節, 骨髄などから分離された.
  • 並河 和彦, 佐久間 佳子, 須永 藤子, 菅野 康則
    1988 年 50 巻 3 号 p. 605-612
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    さきに開発した効力試験法をTetrocarcin-Aに適用したところLD50は45.7mg/kg, Babesia rodhaini感染マウスに対するED50は2.19mg/kgで, 安全域は20.9となりquinuroniumとほほ同じ特性であった.
  • 加茂前 秀夫, 金田 義宏, 百目鬼 郁男, 中原 達夫
    1988 年 50 巻 3 号 p. 613-621
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    卵巣静止の未経産牛10例を4区にわけ, LH-RH類縁化合物100μgを1回(I区, 3例), 100μgを1時間間隔で2回(II区, 3例), 200μgを1回(III区, 3例), 400μgを1回(IV区, 1例)筋肉内注射し,血中LH, エストラジオール-17β (E2), プロジェステロン (P)および卵巣の変化を調べた. 全例においてLHは処置後急激に増加して2時間前後には72.3±42.9 (SD) ng/mlのピークを示し, 7時間前後に基礎値に復した. I, II, III区の間にLH最高値および放出量に有意差はみられなかった. 8例においてはLHがピークを示した後35.5±5.3時間に排卵が誘起された. 処置後の卵巣反応は卵巣形状およびE2とP値の変化により6型に区分された. これら6型の間において処置時のLH値とE2値および処置後のLH最高値とLH放出量に明瞭な差違はみられず, LH放出の多寡と卵巣反応に関連は認められなかった.
  • 高橋 樹史, 高島 郁夫, 橋本 信夫
    1988 年 50 巻 3 号 p. 622-631
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    幼若齢の白色レグホンにオウム病クラミジアを接種し, 接種経路や宿主の日齢と感染・発症との関連を検討してニワトリによる感染モデルを開発し, これを用いて鳥類と哺乳類由来株の病原性の比較を試みた. セキセイインコ由来のIzawa-1株, ドバト由来のP-1041株及びアオボウシインコ由来のGCP-1株を低濃度で8日齢, 30日齢ひなの気嚢内に接種したところ, 8日齢ひなでは接種後3~10日に全身症状が発現し, 発症後24時間以内に斃死し, 発症ひな全例では脾臓・肝臓・肺・小腸・大腸・糞便からクラミジアが回収され, 未接種同居ひなにも感染が認められた。30日齢ひなでは, 発症・斃死例は認められなかったが, 各臓器から高率にクラミジアが分離された. 経口投与では, 高濃度投与群でのみ一部臓器からクラミジアが検出された. 一方, ヒツジ由来のSPV-789株, B-577株及びウシ由来のBo-Yokohama株をそれぞれ気嚢内接種したところ, 8日齢ひなでも発症や斃死例は認められず, 各臓器と糞便からのクラミジア検出も著しく低率であった.
  • 三浦 康男, 後藤 義之, 久保 正法, 甲野 雄次
    1988 年 50 巻 3 号 p. 632-637
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    4頭の牛(1ヶ月~3才才)にChuzanウイルス(CV)を静脈内接種したところ, 軽度の白血球減少を示したのみで, その他の症状を示さなかった. CVは血漿中では接種後3~12日にわたり断続的に検出され, 全例の赤血球から2週間にわたり, 個体によっては, 8週後まで断続的に検出された. 白血球分画からはCVは検出できなかった. 一方, CVを脳内接種した2頭の子牛(1ヶ月及び6ヶ月齢)は食欲不振, 発熱等を示し, 顕著な神経症状を示して瀕死状態となった. 接種後6及び7日後に剖検したところ, 脳各部位からCVが検出され, 1頭のリンパ組織からもCVが検出された.
  • 北川 浩, 橋本 善春, 昆 泰寛, 工藤 規雄
    1988 年 50 巻 3 号 p. 638-647
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    胸腺細胞および末梢T細胞と特異的に反応する抗ニワトリ胸腺細胞ウサギ血清(ATS)を用いて, ニワトリの諸臓器におけるglobule leucocyte (GL)の分布を免疫組織学的に検索した. GLは腸管の上皮および固有層, 肝臓のDisse腔, 腎尿細管, 尿管上皮, ファブリキウス嚢の濾胞間上皮および頚部に存在する大型のリンパ球浸潤を覆う上皮中に分布し, それらのGLはATS弱陽性あるいは陰性であった. GLのATSに対する反応性は同部位に存在するATS陽性のリンパ球のそれに比べて低かった. 腸陰窩上皮内のGL顆粒は械毛上皮内のそれに比べて明らかに大型であった. 脾臓では極めて微細な果粒を有するGLがまれにみとめられたが, 胸腺, 骨髄, 膵臓, 膵管, 胆管および腸管附属リンパ小節には見出されなかった。上記のニワトリ特有のGLの分布および抗胸腺細胞血清に対する反応は, natural killer細胞のそれらに類似していた。
  • 井上 誠, 佐藤 昭夫
    1988 年 50 巻 3 号 p. 648-653
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ニワトリの骨髄性白血病例から新しく樹立した培養細胞が, 付着増殖性, 免疫貪食能および非特異エステラーゼ活性を有し, 単球系細胞としての性状を示した. 培養細胞はレクチン刺激ニワトリ脾細胞培養上清と反応し, 細胞表面のruffle構造の発達とともに, 貪食能, Fcレセプターの発現および非特異エステラーゼ活性の促進がみられた. 大腸菌由来リポ多糖に反応後の細胞では, ruffle構造の発達はみられず、Fcレセプターの発現と免疫貪食能は顕著に抑制され, 非特異エステラーゼ活性は限局した斑状の染色性を示した.
  • 沢田 勉, 木村 英司, 藤本 泰裕, 松永 寛, 森 純一
    1988 年 50 巻 3 号 p. 654-658
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    正常分娩したホルスタイン種経産牛7頭について, 分娩前及び分娩経過中の末梢血中エストロン(E1), エストラジオール-17β(E2)及びプロジェステロン(P)濃度をラジオイムノアッセイ法により測定した. E1値は分娩前4週までは155pg/ml以下であったが, その後次第に上昇し, 分娩日には最高値2781Pg/mlを示した. 分娩経過中は変動がなく, 分娩翌日には197pg/mlに低下した. E2値はE1値の約10~21%であったが, その分泌動態はE1値に並行していた. 分娩前2日までP値は3.71ng/mlであったが, 分娩前日には2.52ng/mlに低下し, 分娩日にはさらに0.75ng/mlに低下し, 分娩経過中から分娩翌日にかけては変動がなかった.
  • 和田 功, 福島 登美子, 湊 良雄, 今泉 和則, 武下 政一, 岡庭 梓
    1988 年 50 巻 3 号 p. 659-664
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ガラクトース添加飼料(ガラクトース50%含有普通粉末飼料)で飼育したラットの水晶体病変の推移を162日間にわたって病理学的に観察した。水晶体の混濁は水晶体線維の変性および破壊に対応し, 引き続いて水晶体線維の再生が出現した。退行性変化としては多層上皮細胞の一層化, 非薄化お上び部分的消失, ならびに再生性変化としては核帯線維の水晶体後面浅層皮質および水晶体前面浅層皮質への増殖がみられた。
  • 桑原 正人, 小坂 俊文, 田中 茂男, 池田 忠生, 林 圭子, 小出 英興
    1988 年 50 巻 3 号 p. 665-672
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    マウスの移植腫瘍に対して抗腫瘍効果を示す乳酸菌Lactobacillus casei YIT9018 (LC-9018)の免疫機能に及ぼす作用機構について検討を行った。マウスにLC-9018を腹腔内投与後24~48時間には, 主としてγ型と推定されるインターフェロン(IFN)が血中に検出され, 48~96時間にはマクロファージ活性化因子(MAF)が検出された. LC-9018の連続投与により脾マクロファージの高い細胞障害活性が長時間維持され, この効果は組換型マウスIFN-γとほぼ同様であった. Meth Aを移植したマウスにLC-9018を投与すると, 腫瘍の増殖は抑制され, 非投与の担ガンマウスに比べ数倍のマクロファージ活性が維持された. 以上から, LC-9018の抗腫瘍効果ではIFN, MAFなどCytokineの誘発が重要と考えられた.
  • 後藤 義之, 三浦 康男, 甲野 雄次
    1988 年 50 巻 3 号 p. 673-678
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ChuzanウイルスはBHK21細胞培養中で最もよく増殖し, その培養液をホルマリンで不活化した抗原はモルモット及び牛で高い抗原性を示した. 油性アジュバントまたは燐酸アルミニウムゲルの添加により抗体産生は促進され, 免疫牛は攻撃接種後も白血球減少や持続性ウイルス血症を示すことなく耐過した.
  • 出水田 昭弘, 詫間 博, 稲垣 修司, 久保田 道雄, 平原 正, 児玉 和夫, 佐々木 文存
    1988 年 50 巻 3 号 p. 679-684
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ゲタウイルスを5ヵ月齢および9日齢の仔豚の脳内, 静脈内または皮下に接種したところ, 臨床的に異常はみられなかったが, すべての豚でウイルス血症が認められ, 接種後1週からHI抗体が検出された. 妊娠豚5頭の皮下接種では, 同様にウイルス血症とHI抗体産生を認め, 4頭を接種後11~28日に開腹して胎仔を観察したところ, 妊娠早期接種例では胎仔の死がみられ胎盤, 羊水, 胎仔からウイルスが回収された. 以上の成績から, 豚の妊娠障害の1要因としてゲタウイルスが示唆された.
  • 金内 長司, 足原 美樹, 杉山 容子, 今泉 尚志
    1988 年 50 巻 3 号 p. 685-691
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ネコ, イヌ, ブタおよびカモメ由来thermo-philic Campylobacter 3O9株の8種の抗菌剤に対する感受性を調べた. カモメ由来C. jejuni 62株, C. coli 31株およびC. laridis 34株は, ampicillinあるいはtetracycline耐性であった7株を除いて, すべてampicillin, chloamphenicol, erythromycin, kanamycin, streptomycinおよびtetracyclineに感受性であり, cephalothinに対しては全株が高い耐性であった. また, nalidixic acidに対してはC. jejuni株とC. coli株はすべて感受性で, C.laridis株はすべて耐性であった。ネコ, イヌおよびブタ由来のC. jejuni 45株, C. coli 127株およびC. laridis 10株は, erythromycin, kanamycin, nalidixic acid (C. laridis株を除く), streptomycinおよびtetracyclineに対するMIC値が広い分布を示し, 耐性株出現率は抗菌剤, 菌種および動物由来別にみて0~30%であり, ブタ由来C. coli株において高い傾向が認められ, ampicillin, cephalothinおよびchloramphenicol に対してはカモメ由来株と類似の成績を示した.
  • 大宅 辰夫, 久保 正法, 渡瀬 弘
    1988 年 50 巻 3 号 p. 692-698
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚の増殖性腸炎由来Campylobacter mucosalis (CM)及びCampylobacter hyointestinalis (CH)の可溶性菌体蛋白質のポリアクリルアミドゲル電気泳動パターンを9種12株のCampylobacter参照株と比較した. 供試した参照株は各菌種とも特有の泳動パターンを示した. CM, CHについてもそれぞれ特徴的な泳動パターンが認められ他菌種と明らかに区別された. しかし, 血清型の異なるCM菌株間及びCH野外死亡例由来菌株と屠場材料由来菌株との問の泳動パターンの差は認められなかった. ポリアクリルアミドゲル電気泳動による可溶性菌体蛋白質パターンの分析はCampylobacter属菌の同定に有用な手段となることが明らかとなった.
  • 中馬 猛久, 廣田 好和, 長谷川 篤彦, 友田 勇
    1988 年 50 巻 3 号 p. 699-705
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ネコ白血病ウイルス(FeLV)感染ネコの末梢血から得られたIgG-Fcレセプター保有Tリンパ球(Tγ細胞)および非保有Tリンパ球(Tnon-γ細胞)について, Tリンパ球に対する比率およびサプレッサーあるいはヘルパー活性を検討した. FeLV感染ネコ5頭から得られたTリンパ球におけるTγ細胞の比率は健常ネコのそれと比較して有意差はなかった. FeLV感染ネコのTγ細胞は, concanavalin A刺激リンパ球幼若化反応およびpokeweed mitogen刺激プラーク形成細胞反応において, 健常ネコのTγ細胞と同程度のサプレッサー活性を示した. 一方, FeLV感染ネコのTnon-γ細胞は, 健常ネコのTnon-γ細胞と比較して低いヘルパー活性を示した.
  • 中村 政幸, 佐藤 静夫, 鈴木 祥子, 田村 豊, 伊藤 治, 小枝 鉄雄, 池田 澄雄
    1988 年 50 巻 3 号 p. 706-713
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    病原性プラスミドを除去したSalmonella serovar enteritidis AL-1192の7ヵ月齢牛に対する病原性を調べ, 接種牛をSalmonella serovar typhimuriumで攻撃して免疫効果を調べた. AL1192接種により一過性の発熱及び排菌が認められたが, 重篤な臨床症状は生じなかった. AL1192筋肉内接種16日後にO抗原を共有するS. typhimurium L-535を皮下接種したところ, L-535に対するH抗体が認められたことから, AL1192接種によりL-535の感染は阻止されないと思われた.
  • 立山 晋, 谷村 信彦, 森友 靖生, 門司 慶子, 山口 良二, 野坂 大, Cotchin E.
    1988 年 50 巻 3 号 p. 714-722
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    宮崎県及び熊本県の屠畜場で採取した臨床的に異常のない馬97頭中26頭の甲状腺に異常細胞集簇巣を認めた. これらは組織学的に次の3型に分類された: 1) 周囲組織に影響を与えず埋没する鰓後体遺残組織(8頭), 2) 周囲組織を圧迫する鰓後体遺残組織の結節性過形成(13頭), 3) 線維性被膜に囲まれた線種(5頭). これらの組織はカルシトニン及びサイログロブリンについての免疫組織化学的, 及び電子顕微鏡的に検索すると, 1~3種の細胞から構成され, いずれの抗体にも反応しない未分化細胞, カルシトニン陽性の傍濾胞細胞, サイログロブリン陽性のコロイドを容れた濾胞を形成する濾胞上皮細胞が認められ, 前2者は充実性組織を形成していた. また1例では, 濾胞上皮細胞のみからなる過形成を認めた.
  • 石原 勝也, 佐々木 栄英, 北川 均, 葉山 みどり
    1988 年 50 巻 3 号 p. 723-730
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    一般病型の犬糸状虫症36例について, フレキシブル・アリゲーター鉗子を用いて肺動脈から犬糸状虫を摘出し, 臨床効果を検討した. 摘出操作による死亡例はなく, 最終的に剖検した18例の平均摘出率は約90%であった. 軽症例(23例)では, 摘出後速やかに発咳, 貧血などの症状が消失した. 重症例(13例)は腹水例(9例)および喀血例(4例)より成り, いずれの症例にも元気, 食欲の消失, 発咳, 呼吸困難および貧血などがあり, 腹水例では皮下浮腫, 胸水, 黄疸あるいは低体温なども散見された. 犬糸状虫摘出後, 全例とも一般状態は4週後までにかなり回復し, 多くの症状も4週後までに消失した. その後の経過は, 喀血例では全例, 腹水例では9例中7例が良好であったが, 腹水例2例は重度の弁膜症あるいは腎不全により3.5ヵ月と4ヵ月後に死亡した. 血液生化学的所見では, 多くの軽症例および重症例で貧血, 白血球増多症, 低アルブミン血症などが摘出後1週または4週までに回復し, また, LDH及びCK活性値上昇例では, 摘出後1週ないし4週までに著しく低下した. この鉗子による虫体摘出法は, 犬糸状虫症の重症例にも適用できる原因療法として推奨できる.
  • 石原 勝也, 北川 均, 佐々木 栄英, 横井 宏禎
    1988 年 50 巻 3 号 p. 731-738
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    フレキシブル・アリゲーター鉗子により肺動脈に寄生する犬糸状虫を摘出し, 摘出後のX線像, 心電図, 右心系循環動態などの変化を観察・測定した. 犬糸状虫摘出後, 肺動脈, 右心室及び右心房の拡張は縮少し、肺動脈の屈曲及び末梢肺動脈の切り詰め像は改善された. 心電図では, 平均電気軸における右軸変位の改善と各波の電位低下が認められた. 肺動脈圧及び右心室圧は低下し, 右心拍出量, 心拍数及び総肺血管抵抗も減少した. これらの結果から, 肺の血管抵抗の低下と血流量の減少, 心臓負担の軽減が示唆された. 摘出後各パラメーターが短期日に改善された所見から, 右心系循環動態の異常発現には, 肺血管病変のみならず, 犬糸状虫そのものも重要な役割を果たしていると考えられた.
  • 石原 勝也, 北川 均, 佐々木 栄英
    1988 年 50 巻 3 号 p. 739-745
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    犬糸状虫性血色素尿症(caval syndrome)例の外頸静脈から, フレキシブル・アリゲーター鉗子を用いて, 右心房と三尖弁口部の犬糸状虫を摘出後, さらに肺動脈内の犬糸状虫を摘出した. 23例の外来患畜では, 右心房及び三尖弁口部の犬糸状虫はすべて摘出され, このうち16例(69.6%)では肺動脈から1~36隻が摘出された. 実験例9例では, 右心房から2~34隻の犬糸状虫が, また, 6例の肺動脈からは3~21隻の犬糸状虫が摘出された. 残留糸状虫数は0~11隻で, 平均摘出率は83.2%であった. 24時間後, 実験例の右心系循環動熊は, 摘出後回復した5例では, 摘出前に比べ右心拍出量, 心指数及び一回拍出量が増加傾向を示したが, 予後不良では4例中3例で減少した. 肺動脈圧と右心室圧は, 摘出前はほぼ正常値から著しい高値まで様々であったが, 摘出後は予後の良否にかかわりなく増減不定に変化し, 関与因子が複雑であることが示唆された.
  • 築山 恭子, 小沼 操, 小田原 輝和, 見上 彪, 伊沢 久夫
    1988 年 50 巻 3 号 p. 746-753
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    牛白血病ウイルス(BLV)感染牛プラズマ中に存在するBLV遺伝子発現抑制因子に対して拮抗作用をもつ血小板因子を部分的に精製し,その性状を検討した. この因子は, PH, 熱処理に安定であったがタンパク分解酵素処理で失活した. ゲル濾過法では分子量約15万, 13万, 8.5万および5万の画分に生物活性が認められ, 分子量5万の画分に最も強いプラズマ因子拮抗作用と牛リンパ球に対するDNA合成刺激作用が認められた.
  • 河上 栄一, 筒井 敏彦, 山田 陽一, 小笠 晃, 山内 亮
    1988 年 50 巻 3 号 p. 754-762
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    片側性陰睾の成犬5頭および未成熟犬2頭について, 下降側精巣摘出と陰嚢内固定手術を実施後, 2, 4または8週間隔で精巣バイオプシーおよび末梢血・精巣静脈血を採取した. 精巣組織については, PAS-ヘマトキシリン染色を施して観察し, 血液中テストステロン値はRIA法により測定した. 未成熟犬については, 1週間隔で精液性状検査を行うとともに, 人工授精による受胎試験を実施した. 手術時における陰睾側精巣の精細管内には, 精子細胞および精子は認められなかったが, 未成熟犬, 成犬それぞれ陰嚢内固定手術後8, 10週で少数の精子が発現し, その後精細管内の精細胞数, 精子数は著しく増加して, 精細管径も増大した. 未成熟犬, 成犬ともに末梢血および陰睾側精巣静脈血中テストステロン値は, 陰嚢内固定手術後除々に増加した. 未成熟犬では, 術後8週で初めて射精精液中に精子が出現した後, 精液量, 精子数ともに増加し, 精子奇形率はやや高値を示したが, 術後25週以後の精液性状は良好であった. これら陰睾犬2頭の精液をそれぞれ人工授精した雌犬8頭中2頭および3頭中1頭が妊娠し, 産子数はそれぞれ2, 2および8頭であった. 以上の成績から, 犬では陰嚢内固定手術により, 陰睾側精巣自身の能力で造精機能が発現し, その精子は受精能を保有しているが, その受胎率は正常より低いことが判明した.
  • 江島 博康, 原 康, 池本 卯典
    1988 年 50 巻 3 号 p. 763-768
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ネコのCa (+) Cb (-) 型とCa (-) Cb (+) 型赤血球に対するウサギ免疫血清について交差吸収試験を行い, 抗-C1 IgM抗体と抗-C2 IgG抗体を分離した. 赤血球型は, 抗-C1によりC1 (+) 型とC1 (-) 型, 抗-C2によってC2 (+) 型およびC2 (-) 型に分類された. 被凝集価の弱い赤血球を用いた吸収試験の結果, 抗-C2抗体は抗-C2abcd, 抗-C2bcd, 抗-C2cd, および抗-C2dの4部分に区別できた. これらのセログラムから, C2 (+) 型は量的形質と考えられるC2a, C2ab, C2abcおよびC2abcdに識別された. C1 (+) 型C2 (+) 型の遺伝様式は確定できなかった. 自然抗体 (抗-Ca,-Cb)との比較同定試験の結果, 抗-C1, 抗-C2抗体は自然抗体とは異なる新しい型特異性を示すものと判定された.
  • 藤瀬 浩, 平井 幸子, 堀井 康市, 小川 絵里, 小林 好作
    1988 年 50 巻 3 号 p. 769-776
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    正常成犬血清, 小腸, 肝臓, 骨, 腎臓および子犬血清アルカリホスファターゼ(ALP)の諸性質を, 各種疾患モデル犬血清ALPと比較した. 1ヶ月齢子犬の血清ALP活性は成犬の4.7倍を示した. 各ALPの至適pHは, 小腸で9.9,その他の組織および正常血清では10.1であった. 56℃20分間熱処理で, 小腸ALPは安定であったが, 他のALPでは活性が半減し, 熱安定性は小腸>>腎臓>肝臓=成犬血清>骨=子犬血清の順であった. 阻害剤への感受性では, 小腸ALPはL-フェニールアラニン(LPA)により他のALPより強い阻害を受けたが, 小腸以外のALPはイミダゾール(IMI)により強い阻害を受けた. IMIによる血清ALPの阻害は成犬と子犬との間で僅かに差があり肝臓と骨のアイソザイムの差を反映すると思われた. セルロゲルを用いた電気泳動で, 各ALPアイソザイムは分離できた. 胆管結紮およびプレドニゾロン投与を受けた犬の血清ALPは, 正常犬のそれに比べて熱安定性が高かったが, CC14投与犬では正常犬と同様であった. さらにプレドニゾロン投与犬の血清ALPは, IMIによる阻害あるいは電気泳動により, 正常血清および他の疾患モデル犬血清ALPと明瞭に区別できた.
  • 原澤 亮, 吉田 辰己, 岩下 修, 後藤 義之, 三浦 康男
    1988 年 50 巻 3 号 p. 777-782
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    ウシの流行性異常産の原因と疑われているパリアム血清群ウイルスK-47株の生化学的性状を検索した. ウイルスゲノムの分子量は11.75×106と推定され, 分子量2.35×106から0.32×106の10分節2本鎖RNAからなることがSDS-PAGEで示された. 免疫沈降法により23K~130Kの10種の構造タンパク質が検出され, 3種(95K, 86K, 23K)が主要構造タンパク質と考えられた. ウイルス粒子にはMg2+依存型RNAポリメラーゼ活性が認められ, アクチノマイシンDにより阻害されなかった.
  • 辨野 義己, 遠藤 希三子, 白神 伸江, 光岡 知足
    1988 年 50 巻 3 号 p. 783-790
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    発育促進用ポリエーテル系抗生物質, カチオノマイシン(CNM), ライソセリン(LSC), モネンシン(MNS), ポートミシン(PRM)およびサリノマイシン(SNM)に対する健康豚および鶏糞便由来嫌気性菌100菌株の最小発育阻止濃度(MIC)を寒天希釈法によって測定したところ, Bacteroides fragilisグループに属する菌株の41~56%はCNM, MNS, PRMおよびSNMの6.25μg/mlの濃度で抑制されたが, LSCには同一濃度で抑制されなかった. Fusobacterium, Selenomonas, MitsuokellaおよびMegasphaeraの全供試菌株はポリエーテル系抗性物質に耐性を示した. EubacteriumはMNSを除く抗生物質に1.56~3.12μg/mlの濃度で抑制された. Bifidobacteriumの全菌株はCNMおよびPRMに対して低濃度で抑制されたが, LSC, MNSおよびSNMには弱い耐性を示した. また, Clostridium perfringensは全供試薬剤に1.56~12.5μg/mlで抑制され, LactobacillusはCNM, PRMおよびSNMの1.56μg/mlで抑制されたが, LSCおよびMNSに対して12.5μg/mlで抑制された. 豚糞便由来B. fragilisはポリエーテル系抗生物質に対して耐性を示したが, 鶏糞便由来B. fragilisは低濃度で抑制された.
  • 渡辺 清隆, 関根 貴司, 堅木 道夫, 真保 麻子, 山本 晋二
    1988 年 50 巻 3 号 p. 791-796
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    抗AK2血清および抗CAM-AK2血清には, AK2ともCAM-AK2とも反応する抗体(抗AK2抗体)と, CAM-AK2とは反応するがAK2とは反応しない抗体(抗CAM-AK2抗体)の2種類の抗体が存在した. 抗AK2血清中の抗AK2抗体/抗CAM-AK2抗体比は7.3 : 1であったが, 抗CAM-AK2血清中のそれは1 : 4.8であった. 抗CAM-AK2血清はシトソール型アデニレートキナーゼ(AK1) またはCAM-AK1と反応したが, 抗AK2血清はそれらと反応しなかった. 以上の成績から, 還元アルキル化によるAK2免疫原性の大きい変化が示唆された.
  • 唐木 英明, 長瀬 裕美, 西田 隆雄
    1988 年 50 巻 3 号 p. 797-802
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    雄ニワトリの交尾行動に関与すると考えられる前ファーラス後引筋摘出標本は自発性の律動性収縮を示した. 電気刺激はこの筋を弛緩させ, テトロドトキシンはこれを抑制したが, ヘキサメトニウム, プロプラノロール, プラゾシン, アトロピンは無効であった. ノルエピネフリンとイソプロテレノールも筋を弛緩させたが, プロプラノロール存在下ではノルエピネフリンは筋を収縮させ, この効果はプラゾシンにより抑制された. カルバコールは収縮作用を示し, アトロピンはこれを抑制した. 高濃度Kは筋を収縮させ, プロプラノロールはこれを増強した. サブスタンスPは筋を収縮させたが, ATPおよびニューロテンシンは無効であった. 以上の成績から, この筋は非アドレナリン非コリン作動性抑制性神経の支配を受けるものと考えられた.
  • 川村 斉, 藤田 達男, 今田 忠男
    1988 年 50 巻 3 号 p. 803-808
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    3~24時間で単層を形成したESK細胞で豚パルボウイルスは明瞭なプラックを形成したが, 48~72時間培養のESK細胞ではプラックは形成されなかった. 3時間培養でのプラック形成数は24時間培養でのそれより高かった. DEAE-dextranを重層寒天培地に加えるとプラックは大きくなったが, 感染価は上昇しなかった. プラック形成は免疫血清によって特異的に抑制された. ウイルスは3時間培養のESK細胞でよく増殖し, 増殖の暗黒期は8~10時間の間であった.
  • 芳賀 猛, 横森 馨子, 中山 裕之, 林 俊春, 後藤 直彰, 高橋 令治, 藤原 公策
    1988 年 50 巻 3 号 p. 809-813
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    1975~1984年の10年間に, イヌの剖検例中42例およびネコの剖検例中47例がそれぞれリンパ系および骨髄系腫瘍と診断され,それぞれイヌの腫瘍例272例中の15.4%およびネコの腫瘍例930例中の50.5%に相当した. 臨床生検例ではイヌ31例お上びネコ9例がそれぞれリンパ系および骨髄系腫瘍と診断され, イヌ腫瘍例930例中の3.33%およびネコ腫瘍例106例中の8.49%に相当した. これらの大部分は主として多中心型のリンパ肉腫であった. イヌではShetland sheepdogおよびBoxer種で発生率が高く, イヌ, ネコともに性差はなかった. 好発年齢はイヌで4~5歳と8歳, ネコでは1~3歳および8歳であった.
  • 小野寺 節, 津田 和幸, 清水 真也, 藤崎 幸蔵, 南 哲郎
    1988 年 50 巻 3 号 p. 814-816
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Theileria原虫のElisa抗原をNonidet P-40およびTriton X-100で処理し, 可溶化蛋白を得た. この蛋白の分子量は両者とも32.5kd周辺に属していた. 両可溶化蛋白を羊赤血球とともに投与したマウスについてJernaのプラック法を行なったところ, 強い免疫増強効果を示した.
  • 松田 浩珍, 木曽 康郎
    1988 年 50 巻 3 号 p. 817-820
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    Haemaphysalis longicornisの幼ダニに対する感染抵抗性を獲得したマウスの脾細胞, リンパ節細胞, 血清を移入することにより, 正常マウスには抵抗性が付与されたが, 肥満細胞欠損マウスには付与されなかった. 肥満細胞欠損マウスに培養肥満細胞を皮下注射すると局所にのみ抵抗性が発現した.
  • 鹿野 胖, 川口 直彦, 浅利 将男, 和久井 信
    1988 年 50 巻 3 号 p. 821-824
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    頭殿長1.5~88cmの牛胎仔について第二胃溝底に存在する粘膜ひだの発生を観察した. まず, 第二・三胃口近くで第三胃葉に連続するひだと, 噴門近くで食道粘膜ひだに連続するひだの2種類が発生し, 両者はその後延長, 合流して, 第二胃溝全長に及ぶひだに成長した. ひだの多くは第三胃葉の延長として発生することが示唆された.
  • 寺西 永, 清水 晃, 河野 潤一, 木村 重
    1988 年 50 巻 3 号 p. 825-827
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚由来S. hyicusのプロテインA保有3株と非保有11株のVero細胞への付着能を比較したところ, 細胞1個当りの平均付着菌数が前者で6.30~16.85個, 後者で0.48~0.96個であり, プロテインA保有株は非保有株よりもVero細胞に付着しやすいことが示唆された. また, トリプシン処理で, プロテインA保有株の付着能は著しく低下したが, 非保有株ではほとんど影響を受けなかった.
  • 柴田 勲, 浜野 厚, 平井 秀敏, 深見 直, 矢挽 輝武
    1988 年 50 巻 3 号 p. 828-831
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    豚オーエスキー病の血清診断法として採血用濾紙を用いたELISAを検討した. 濾紙法は, 血清のELISA値との間に高い相関(γ=0.971)がみられ, 判定の一致率は97.2%であった. 実験感染豚では, 感染後8日から抗体が検出された.
  • 辨野 義己, 遠藤 希三子, 光岡 知足
    1988 年 50 巻 3 号 p. 832-834
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    東北, 関東, 東海, 近畿ならびに九州各地区の89飼育施設における161羽のブロイラー糞便材料よりClostridium perfringensの分離を試みたところ, 東北地区の分離率は他地区のそれより高かった. エンラマイシンとサリノマイシン (C.perfringensの分離率, 35.0%), ヴァージニアマイシンとサリノマイシン (35.3%) およびエンラマイシンとナイカルルバジン (36.4%) のそれぞれを飼料に添加投与されたブロイラーからのC. perfringensの分離率は, 他の飼料添加物の組み合せのそれより低かった. 全分離株の90%以上はエンラマイシンおよびサリノマイシンに対して0.4μg/mlの濃度で, ヴッージニアマイシン, モネンシンおよびチオペプチンに対しては3.2μg/mlの濃度で抑制され, バチトラシン, コリスチンおよびナイカルバジンには耐性を示した.
  • 中島 弘美, 橋本 夏美, 門田 耕一
    1988 年 50 巻 3 号 p. 835-837
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    雑種, 6か月齢, 去勢雄豚の主として腹腔内リンパ節, 肝, 脾にリンパ腫が認められた. 腫瘍は大小さまざまのリンパ様細胞と形質細胞系細胞よりなり, 後者の細胞質内にはIgGが存在していた.
  • 田原 秀樹, 池田 賢, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1988 年 50 巻 3 号 p. 838-839
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    第一・第二胃壁における水分, 電解質, VFAの絶対移動量を測定するための両胃分離法について検討した. 第二・三胃口にはポリエチレン製プラグを装着して第一胃内容の漏出を防止し, 食道内にはバルーンカテーテルを留置して唾液流入を防止したところ, 第一・二胃の分離は良好であり, 生体に与える影響も少なく, 動物は繰り返しの実験に十分堪えた.
  • 江島 博康, 村田 篤, 中西 章男, 原 康, 多川 政弘
    1988 年 50 巻 3 号 p. 840-841
    発行日: 1988/06/15
    公開日: 2008/02/13
    ジャーナル フリー
    グルコース消費試験を用いてイヌ末梢血リンパ球幼若化能の加齢に伴う変化について検討した. 末梢血リンパ球のSR値は1歳以下では85.3±23.3%, 1~3歳では64.1±17.4%, 4~7歳では54.8±20.9%, 8~10歳では46.7±31.8%であり, 加齢に伴いPHAに対する末梢血リンパ球の幼若化能低下が示された.
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