可視化情報学会誌
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32 巻, 127 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中島 卓司, 伊藤 裕一
    2012 年 32 巻 127 号 p. 3
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
  • 下向 智美, 千葉 貢治, 松田 潤一, 平野 敏行, 佐藤 文俊
    2012 年 32 巻 127 号 p. 4-9
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
    近年,タンパク質を丸ごと取り扱った電子状態計算が実行できるようになった.「京」スーパーコンピュータの登場により,この多くの計算資源を必要とする計算は実用的なフェーズへと移行しつつある.これに伴い,大規模かつ複雑なタンパク質全電子波動関数計算結果から直接的かつ有用な情報を引き出す可視化法が必須となる.本研究では,タンパク質構造と電子構造との間の相関を解析する,新たな可視化法を提案した.代表的な2つの例を通して,本方法の有効性を調べたところ,これらの間には有意な特徴が存在することが明らかとなった.「京」スーパーコンピュータなどを使用した網羅的な解析により,これらの新たな情報データベースづくりが進めば,タンパク質の電子構造原理の理解や新規タンパク質の分子設計に役立つだろう.
  • (「戦略分野2:新物質・エネルギー創成」より)
    古家 真之介, 岩田 潤一, 長谷川 幸弘, 松下 雄一郎, 押山 淳, 賀谷 信幸
    2012 年 32 巻 127 号 p. 10-15
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
    シリコンナノワイヤは,次世代の半導体デバイス材料として注目を集めている.我々は独自に開発した量子力学的第一原理電子状態計算プログラムRSDFTを用い,「京」を利用することによって実デバイスサイズに相当する数万原子系の電子状態計算を行った.その結果,ナノワイヤ表面のラフネスが,デバイスとしての動作にあまり影響を及ぼさないことがわかった.さらに得られた結果をπ-CAVEシステムを用いて三次元可視化することにより,シリコンナノワイヤ内部における波動関数の分布を詳しく観察した.また半導体結晶中において空間に広がる状態が発見された事例を紹介し,可視化技術は新規物理現象の発見に繋がる重要な分野であることを述べる.
  • ―「京」コンピュータが再現する地震・津波・台風の可視化に向けて―
    古市 幹人, 荒木 文明, 陰山 聡
    2012 年 32 巻 127 号 p. 16-21
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
    HPCI戦略プログラム・分野3ではスーパーコンピュータ「京」を用いた、防災・減災に資するシミュレーションを行っている。そこでは、得られるシミュレーションデータのサイズが膨大であり、再現される現象も複雑になることから、それらを効率的・効果的に可視化処理する事は一般の可視化処理方法では難しい。そこで本稿では、地球科学の大規模シミュレーションの可視化に係わる諸問題を解決するべく我々が取り組んでいる、バッチジョブを活用したPost-またはCo-processingでの高品位な可視化、In-Situ processingにおいてBullet-time法を組み合わせた大規模データ可視化への取り組み、そして、シミュレーション結果を効果的に発信するためのアプリケーションEXTRAWINGの研究開発について、それぞれ可視化結果を交えた紹介を行う。
  • 坪倉 誠, 中島 卓司
    2012 年 32 巻 127 号 p. 22-27
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
      ソフトウェアとハードウェアの両面で著しい発展を遂げたCFDは,かつて風洞が担っていた自動車の空力開発における多くの実験プロセスの代替となった.しかしながら,その設計開発プロセス自体は旧来の風洞主体のものから大きく変わるものではない.そこで我々の研究グループでは,非定常三次元乱流場のCFD解析に基づき,流れの物理メカニズムの解明や実走行時の空力特性の把握を可能にする新たな自動車用の熱・空力設計システムの開発を進め,プロセスイノベーションの実現を目指している.
      本稿では,同システムの基盤となる次世代非定常空力シミュレータを用いた車両運動に対して空力減衰を生じるメカニズムの解明と強横風時の車両運動と空力の連成現象について解析事例を紹介する.さらに,次世代スパコン「京」をはじめとするペタスケール計算機上で実現を目指す設計システムのコンセプト,ターゲット,ならびに実現のための重要課題について述べる.
  • ―可視化ツールZindaiji3の開発について―
    武田 隆顕
    2012 年 32 巻 127 号 p. 28-33
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/01
    ジャーナル フリー
    天文学の分野では粒子シミュレーションは頻繁に行われる。我々は以前より粒子データの可視化のためのツールを作成し、特に教育用、広報普及用を中心に映像の作成を行ってきた。今日、コンピュータ技術の進歩により、ますます大規模な粒子シミュレーションが行われている。そうした大規模データに対応するため我々は新たなツール”Zindaiji3”の開発を行っている。現在の目的は、1台のPCを用いてできるだけ速く、大量の粒子データを扱えるツールである。現在、1千万から1億ほどの粒子データから映像作成が可能になっている。Zindaiji3の機能や、実装の工夫などを紹介し、描画速度やメモリの上限から、どこまで大規模なデータなら1台のPCで可視化(映像化)をおこなえるかを議論する。理想的な場合では10億程度の粒子データを1台のPCでの映像化することが可能と見積もられる。10億粒子というスケールは、ある種の計算では京コンピュータを用いて行う計算のスケールとなっている。そうしたデータではかろうじてPC一台でも可視化を行える。京ではさらに大規模な粒子計算も予定されており、そういったデータの可視化には、少なくともPCクラスターなどでの可視化が必要になる。
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