可視化情報学会誌
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35 巻, 139 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
特集記事
  • 榊原 潤, 川口 達也
    2015 年 35 巻 139 号 p. 3
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
  • ―実用化までの道のりを振り返って―
    中川 雅樹, 原本 誉剛
    2015 年 35 巻 139 号 p. 4-8
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     開発者にとって直感的に理解しやすい,流れ場の面情報が短時間で計測できるPIVは,F1空力開発においても今や欠かせないツールとなっている.最近では数値計算結果を検証する目的のみならず,実走行中の流れ場が,風洞模型まわりで再現できているかを確認する手段としても利用されている.本稿では,一般的な大型風洞実験開発において,PIVが利用されることが未だ少なかった2003年から実施してきた, F1スケール模型の風洞実験開発へのPIVの実用化に向けた取り組みについて,PIVの有用性を示すための初期検討から,現在開発で利用されている現システムの原形が完成するまでの道のりを振り返る.そして,「誰もが利用できる究極のターンキーシステム」を目指して開発した装置の特徴について,その開発途上での試行錯誤のエピソードを交えながら詳述するとともに,開発への適用事例についても解説する.
  • 福地 有一, 中島 正人, 吉野 崇, 星野 元亮, 寺村 実
    2015 年 35 巻 139 号 p. 9-14
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     自動車の空力シミュレーションの高精度化や空力デザインの高度化のためには,実車周りの空力実現象を計測し理解することが有効である.
     車体の空力現象は幅広いスケールの渦を含む複雑な流れ場であり,これらの渦が車体空力に与える影響を理解するためには速度ベクトルが計測可能なPIVの適用が望まれているが,PIVの計測可能領域が車体サイズに対して十分でないという欠点があった.
     筆者らがこれまで開発してきたラージスケールPIVにより車体の部品周りの流れ場は計測可能となったが,全ての現象が重なり合った実車の後流現象を計測することは困難であった.
     そこで本研究ではラージスケールPIV技術に加えて,計測領域を分割同時撮影するための撮影パラメータを明らかにすることにより,実車全体の後流をPIV計測可能にした.
  • ―船舶試験水槽でのPIV計測について―
    長屋 茂樹
    2015 年 35 巻 139 号 p. 15-18
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     船舶の設計時には旋回などの操縦性の評価を行う必要があり,水槽試験で模型船に働く流体力を計測して操縦性の推定を行っているが,近年のCFD技術の発展により,操縦運動時の流体力評価も可能になりつつあることから,このCFD解析結果の妥当性を評価するための模型船周りの流場計測データが求められている.
     筆者らは,ステレオPIVを船舶試験用水槽に適用し,模型船の周りの流場を詳細かつ効率よく計測できる手法を構築してきた.このPIV計測手法を操縦運動時にも適用し,旋回運動時の船体周り流れの把握と,CFD解析結果検証用の流場計測データの取得を試み,CFD解析との比較を行ったので,船舶水槽でのPIV計測の手法と共に紹介する.
  • ―事例紹介とその課題―
    富松 重行
    2015 年 35 巻 139 号 p. 19-23
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
     ステレオPIV,ダイナミックPIV,ホログラフィックPIV,トモグラフィックPIVというように,PIVは時代とともにその空間分解能,時間分解能を向上させてきた.また,解析アルゴリズムに関しても,従来の直接相互相関法やFFT相関法に加えて,再帰的相関やアンサンブル相関など,解析精度向上のための研究も進んできた.しかしながら,ポンプメーカーによるPIV計測事例は,2D-2CのPIVであってもあまり増えていない.本報ではポンプメーカーにおけるPIV計測事例を紹介し,PIVを使用する上での課題について述べる.
  • 服部 康男, 松山 賢, 須藤 仁, 沖永 誠治
    2015 年 35 巻 139 号 p. 24-28
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    換気が制限された室内におかれた容器内の液体が燃えることにより生じる火災(制限換気区画内プール火災)での火炎に随伴する浮力上昇流(火災プルーム)を対象にPIV計測を実施した.ヒカゲノカズラの胞子である石松子をトレーサ粒子とした.制限換気による火炎の発熱量および区画内空気の酸素濃度の減少が火災プルームおよびそれに伴う未燃焼空気の連行に与える影響に注視した.そして,制限換気条件は火災プルームの構造を大きく変調させることを明らかにした.火災プルームは,はじめ,通常の火炎に見られるpuffing構造を呈するが,火炎の発熱量および区画内空気の酸素濃度の減少とともに,meandering構造へと変化する.これとともに未燃焼空気の連行挙動も変化する.
  • 鈴木 博貴, 長田 孝二, 酒井 康彦
    2015 年 35 巻 139 号 p. 29-34
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/10/01
    ジャーナル フリー
    電子付録
    本研究は,PIV計測システムの開発と,開発したPIV計測システムを格子乱流計測に適用して検証した.本稿ではまず,研究背景およびPIV処理系の独自開発に至った動機を述べる.次に,開発した本PIV計測について,まず概要を述べたのち,解析法に重点をおいて述べる.ここでは,本PIV計測の特徴の一つである補間処理についても述べる.つづいて,本PIV計測システムを格子乱流の計測に適用した結果を,対象の流れ場と計測条件が述べられたのちに,示す.計測結果において,まず瞬時量や基本特性が示されたのち,速度変動強度の減衰が従うベキ則が示される.本計測では,このベキ則の係数を任意性なく決めるために,速度変動強度に加えて粘性散逸を用いており,これに及ぼすノイズの影響についても本稿で示される.粘性散逸を用いて算出された係数値は,先行研究の結果と良く一致し,これが一致する点において,本PIV計測システムが検証される.
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