可視化情報学会誌
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37 巻, 147 号
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特集記事
  • 染矢 聡, 沼田 大樹, 松田 佑, 坂村 芳孝
    2017 年 37 巻 147 号 p. 4-10
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    蛍光・燐光を用いたPSP/TSP計測のためのハードウェアについて概説した.PSP/TSP計測ではいずれの手法で計測を行う場合においても,蛍光・燐光分子を励起するための光源,可視化画像を取得するためのカメラなど光検出器,測定対象物,センサ物質の4つは不可欠である.計測法の概念を紹介したのち,特にダイナミックレンジに着目しつつカメラについて近年の動向を紹介した.光源は種類が多いがLED,レーザーなど簡単に述べた.更に,塗膜の作成方法と,PSP/TSP計測の特性評価システムについて紹介した.

  • 江上 泰広, 染矢 聡, 松田 佑, 満尾 和徳, 沼田 大樹
    2017 年 37 巻 147 号 p. 11-16
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    感圧・感温塗料は発光強度の変化より,圧力や温度を光学的に計測する事ができる分子センサである.本論文では,入手が比較的容易な感圧・感温物質やポリマなどのバインダ材料を中心に紹介し,感圧・感温塗料を用いた研究を行う人が,どのようなPSP, TSPが適しているのか選択しる上での指針になるようにした.そのため,感圧/感温色素とバインダ材料の代表的な組み合わせを示し,それぞれの圧力感度,温度感度,励起.発光波長などの諸特性について述べた.

    特にもっともよく用いられる感圧色素であるPtTFPPとRu(dpp)3については詳しく解説した.

    また,感温塗料では,代表的なルテニウム錯体,ユーロピウム錯体,量子ドット,ローダミン,フォスファーなどの色素を示し,-196℃の極低温から1000℃の高温までのそれぞれの温度域で適した感温塗料 について解説した.

  • 沼田 大樹, 森 英男, 松田 佑, 坂村 芳孝
    2017 年 37 巻 147 号 p. 17-22
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    本稿では,PSP/TSP計測に用いられる代表的な計測手法である強度法について解説を行った.本稿ではまずPSP/TSPを用いて強度法計測を行う場合に必要となる計測原理を説明し,導入された仮定や実計測における較正式の取り扱いなどについてまとめている.また,強度法を用いて計測を行う場合に必要となるハードウェア (計測システム) の例や具体的な計測手順についても示し,各機器の特徴やそれらを使用する際の留意点についてもまとめた.さらには,計測精度に大きな影響を与える様々な要因についても紹介し,それぞれ注意すべきことをまとめている.また,強度法の適用例についても示しており,PSP/TSPそれぞれにおける強度法計測の現状や,具体的な計測事例を紹介した.

  • ―PSP・TSPの寿命法と分子タギング法―
    松田 佑, 依田 大輔, 森 英男, 半田 太郎
    2017 年 37 巻 147 号 p. 23-27
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    本稿では,蛍光および燐光の発光寿命を利用した感圧・感温塗料(PSP/TSP)計測法と分子タギング法に関して解説した.まずこれらの手法の原理を簡単に解説した.例えば,寿命法を用いたPSP・TSP計測では,発光寿命と圧力・温度間の関係が励起光強度に依存しないため,強度法に比べて励起光強度の変化がある模型の変形を伴う流れ場の計測などで優位であると期待される.また,分子タギング法では,発光寿命を利用することで,流れ中にシードした蛍光分子のタイムラインから流速の計測が実現できる.これらの実験装置に関して説明した後,実際の計測例を紹介した.

  • 満尾 和徳, 森 英男, 亀谷 知宏
    2017 年 37 巻 147 号 p. 28-33
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/10/27
    ジャーナル フリー
    電子付録

    感圧塗料(Pressure-sensitive Paint: PSP)を用いた表面圧力場計測技術が風洞試験等における有望な熱流体計測ツールとして研究されている.PSP計測では,PSPが塗装された模型に励起照明を照射し,その発光強度をCCDカメラで計測する.一般にPSPは紫外線を照射すると赤色に発光し,その発光(燐光)強度は酸素消光によって変化する.空気中の酸素分圧は一定であるため発光強度の変化から圧力分布を計測することができる.しかし,PSPの発光強度は圧力と温度の両方の影響を受けるため,高い精度で圧力場を計測するためにはPSPの温度補正が不可欠である.PSP温度補正法の課題を解決する方法として,感圧塗料と感温塗料を使った複合計測による温度補正法が研究されている.本記事では感圧・感温複合塗料計測の最新研究の取組みを紹介する.

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