可視化情報学会誌
Online ISSN : 1884-037X
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39 巻, 153 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
特集記事
  • 森 英男, 富松 重行
    2019 年 39 巻 153 号 p. 1
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー
  • 大内田 聡
    2019 年 39 巻 153 号 p. 2-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

     ターボ機械は回転数と流量の組合せでいろいろな運転条件に対応できるが、設計仕様点から外れたところで運転すると一般に性能が低下する。とくに圧縮機は、流量を減らすと旋回失速やサージなどの流体振動が発生するため低流量側での運転に限界点がある。本報では、このような流体振動が発生している様子を可視化するためにPIV(Particle Image Velocimetry粒子画像速度計測法)を遠心圧縮機の内部流れに応用した事例を紹介する。

  • ―熱力学的効果の原因解明に向けて―
    伊藤 優
    2019 年 39 巻 153 号 p. 7-12
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    世界初の極低温流体と水の両流体中で回転するインデューサの可視化が可能な試験装置を用いて,液体窒素中と水中のキャビテーションの特徴を比較した.供試インデューサは直径65.3mmの3乗螺旋で回転数3500から6000rpmで試験した.インデューサはInconel超合金製で,透明ケーシングは石英ガラス製であった.くわえて,熱膨張・収縮時にもインデューサとケーシングの軸を維持する機構を用いたことで,翼端隙間をほぼ均一に,かつ,一定に保った.キャビテーションは,液体窒素中では霧のような泡で,水中では石鹸のような泡であった.この違いは臨界ウェーバー数から導かれるキャビテーション気泡の最大安定気泡径によって説明できる.この理論によれば,液体窒素の個々のキャビテーション気泡径は水に比べて4倍小さい.この個々のキャビテーション気泡径の違いが熱力学的効果が発現する原因であると考えられる.

  • 白石 耕一郎, 澤田 祐希
    2019 年 39 巻 153 号 p. 13-17
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    船尾伴流中で作動するプロペラに生じるキャビテーションは,船体振動,プロペラの推力低下,エロージョン等の原因となる.そのため,設計段階でキャビテーションを高精度に推定できる理論計算法及び数値計算法の開発が望まれている.キャビテーションの高精度推定のためには,キャビテーションの変動と強い相関を持つキャビティ体積の実験データの取得と蓄積が望まれるが,現状高精度で計測する方法が無いため,新たにキャビティ形状計測法の確立が必要である.著者らは,組合せラインCCD法を用いたキャビティ形状計測法の開発を行っている.組合せラインCCCD法はラインCCDカメラの高分解能及び高応答性を利用した高精度三次元形状計測法である.本稿では,当所で開発した三次元形状計測装置と本装置を用いて模型プロペラ翼面上に発生するキャビティ形状を計測した結果について紹介する.

  • 本多 武史, 坂上 誠二, 船﨑 健一
    2019 年 39 巻 153 号 p. 18-22
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

     家庭用電気掃除機に用いられる小型遠心ブロワの高効率化と低騒音化の両立を図るために,羽根付きディフューザの内部流れ及び動静翼干渉場の非定常流れ場に着目した可視化を行った.本研究では,流れの把握を粒子画像流速測定法(Particle Image Velocimetry)と,圧縮性非定常流体解析を用いて行った.ディフューザ軸方向高さ位置によるディフューザ内部の速度分布の可視化では,設計点と失速点近傍での流れ場の比較を行い,ハブ側の検査断面において失速点近傍の流れは,設計点に比べて,重なり部流れ方向中央,及び重なり部出口で低速となる領域が増加することを得た.次に,動静翼干渉場の非定常流れに注目した可視化を行い,インペラのWakeとインペラ翼間で発生している渦により,ディフューザ重なり部の入口において,渦の低圧部によって流れが圧力面へ傾き,流れ角度が小さくなる現象を可視化した.

  • 古川 雅人
    2019 年 39 巻 153 号 p. 23-27
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー
    電子付録

    ターボ機械における非定常流動現象の解明には,実験解析とCFD解析を併用することが不可欠である.この観点から,瞬時圧力分布計測法およびCFD結果の知的可視化手法について述べている.瞬時圧力分布計測法では,動翼列内の非定常流れ場の過渡的な現象を捉えるために,30個の高応答圧力センサおよび時空間補間を駆使して,翼間1ピッチにわたるケーシング壁面上の瞬時圧力分布の時系列データを得る.CFD結果の知的可視化では,CFD結果から流体力学的に意味のある情報を抽出するために,特異点理論に基づいた渦中心の同定および限界流線のトポロジー解析を行う.瞬時圧力分布計測法およびCFD結果の知的可視化手法を軸流圧縮機動翼列のスパイク形旋回失速初生プロセスの解明に適用した事例を紹介している.

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