真空
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44 巻, 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中山 喜萬
    2001 年 44 巻 11 号 p. 925-931
    発行日: 2001/11/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
  • 山田 啓文, 松重 和美
    2001 年 44 巻 11 号 p. 932-939
    発行日: 2001/11/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
  • 大森 裕
    2001 年 44 巻 11 号 p. 940-947
    発行日: 2001/11/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    有機EL素子をポリマー光回路用の光源として適用し, ポリマー導波路上に直接光源を形成することにより電子・光集積回路を構成することについて提案した.光回路の伝搬損失の少ない赤色光源としてTPP, DCMの2種類の色素を電子輸送材料 (Alq3) 中にTPPとDCMを同時に分散することで, 高輝度で, また発光効率も倍増することを示した.
    有機EL材料の最近の研究動向に関して, 低分子系緑色発光材料に関しては実用材料として資質を備えているが, 青色材料や赤色材料に関しては開発が望まれる.低分子系の材料は主として真空蒸着を中心としたドライプロセスにより素子を作製しているが, 高分子系の材料を用いた素子ではスピンコート法などのウエットプロセスによることが多い.それぞれ一長一短があり両者の特長を生かし, EL材料として進展するものと考えられる.青色や赤色発光材料でIr (ppy) 3に匹敵する発光効率の材料の開発をすることも重要であるが, EL素子を構成する上で発光材料のみならずキャリア輸送層に用いる, 正孔輸送材料, 電子輸送材料も重要な役割を果たす.素子の高輝度化を実現するには, 発光界面での発熱による劣化などを防ぐために高融点, 高軟化点の材料が必要になる.発光材料, キャリア輸送材料ともに素子構成上重要な要素であり, 材料面での進展を期待したい.
    電流注入型の有機レーザーに関しては, テトラセン, チオフェンに続く電流注入によるレーザー発光材料の開拓を望みたい.移動度の大きな材料で抵抗が低く, エネルギー構造の単純な材料が第一条件として考えられる.
  • 藤田 静雄, 藤田 茂夫
    2001 年 44 巻 11 号 p. 948-955
    発行日: 2001/11/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    本稿では, 有機薄膜のHOMOおよびLUMO準位をそれぞれ半導体の価電子帯, 導電帯に対応させることにより, 半導体多層構造におけるタイプI, タイプIIの概念をほぼ等価に有機薄膜マルチ構造に対して用いることが出来ることを実験的に示した.界面でのキャリア注入等, 半導体のバンド構造と等価に考えてよいかといった問題は未だあるが, 少なくとも発光デバイスに関して有機薄膜マルチ構造を用いることにより発光効率の向上が期待される.したがって, HOMO, LUMO準位をもとにした構造設計により, 高機能・新機能デバイスの発現につながりうるであろうと期待される.
    他方, 成膜技術の観点で見ると, nmレベルでの界面・膜厚の制御, 分散膜にあっては組成の制御が必要である.原料セルの温度は200℃以下で正確に制御する必要があり, 成長中その場での表面観察やnmレベルでの成膜速度の測定など, 半導体の分子線エピタキシ (MBE) 技術の延長にはない有機薄膜特有の技術が求められるであろう.特にMBEにおける反射電子線回折 (RHEED) とその振動による膜厚制御という, 半導体において成長膜の特性と構造制御にとって不可欠な技術が, 非晶質で分子間結合の弱い有機薄膜の成膜には用いることが困難である.RHHEDに代わるようなその場観察技術や, 成長機構の解明による単分子層レベルでの成膜・膜厚制御技術の確立が求められるとともに, 非晶質である有機薄膜の配向を単分子層レベルで制御してゆくような成膜技術を開拓してゆく必要があると思われる.
  • 余谷 純子, 上村 佐四郎, 長廻 武志, 倉知 宏行, 山田 弘, 江崎 智隆, 齋藤 弥八, 安藤 義則, 超 新洛, 湯村 守雄
    2001 年 44 巻 11 号 p. 956-962
    発行日: 2001/11/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    We have developed the light-source device which emits primary color of super-high luminance and fast switching, the device will be used for the light-source of a projector which consists of liquid crystal display (LCD). In order to perform super-high luminance, we must consider that very high anode voltage of 30 kV and the emission current of 500-1000 μA will be required. As a result, the improved structure of electrode system, X-ray shield and cooling system were installed in the developed light-source device.
    In this paper, we proposed the above mentioned device structure, and the cathode of carbon nanotube (CNT) was the most suitable for the electron emitter. A special CNT that is called nanografiber (NGF) was selected among CNT materials, and the cathode demonstrated that high current density was obtained and the enough electron emission was kept for a long time against ion bombardment. A super-high green luminance of 1 ×106 cd/m2 was achieved by this light-source device.
  • 益子 信郎, 横山 士吉, 中浜 龍夫, 大友 明
    2001 年 44 巻 11 号 p. 963-968
    発行日: 2001/11/20
    公開日: 2009/10/20
    ジャーナル フリー
    レーザー発振は, 発光材料の光化学だけでなく光学系の空間制御をあわせて考察する必要がある.本報告では, デンドリマーを含む均一な発光媒体がデンドリマーの凝集によって発生する空間構造と光が結合することによって局所的にレーザー発振を引き起こすことを述べた.多重散乱によって発生する疑似境界と光学フードバックに関しては, さらに詳細を検討する必要があるが, 色素を高濃度で発光収率を下げないでドープ出来るというデンドリマー技術が基本にあることは確かである.この特性を利用すると, ランダム・マイクロレーザーやフォトニック・クリスタルと呼ばれるような微小デバイスへの展開が期待できる.
    また, デンドリマー構造自体が光学的に別の働きをしていることが明らかになった.本来4.5nm程度の高分子が光学的に特性に関与することは, 考えにくいことであったが, デンドリマーのように均一なナノサイズの構造を持たせることによって, 2節で述べたような新たな現象が発現してきたのである.ナノサイズの物性が, これまでの分子単体の特性やバルクの性質だけからは, 推定できない事を示す典型的な例であると考えられる.
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