In this work Cu₂O and CuO thin films were deposited on glass substrates by dc reactive magnetron sputtering by varying a thickness from 100nm to 250nm. An X-ray diffractometer (XRD) was employed subsequently for the phase characterization of the as-deposited films. The surface morphology of the films was observed by an atomic force microscopy (AFM). The optical measurement was performed to calculate optical band gap (E_g) using a UV-Vis Spectrophotometer in a wavelength range of 300 - 800 nm. The Hall Effect Measurement System was used to decide the electrical properties of the deposited thin films. In this study the electrical and optical properties of the deposited thin films were investigated obviously.

光触媒を用いれば安定なC-H結合を有するメタン分子の水蒸気改質反応を室温で誘起することができる。我々はGa₂O₃光触媒のメタン改質反応活性がメタンの圧力や助触媒の担持量に大きく依存することを見出している。本研究ではこのような活性の差異を生み出す光誘起キャリアや反応中間体の観測を目的とし、紫外光強度変調下でのオペランドFT-IR分光を行った。その結果、反応活性と相関する励起電子の分光検出に成功した。

反応性マグネトロンスパッタリング法によりp型半導体にCu₂O、n型半導体にTiO₂を用いた固体色素増感太陽電池を作製したところ、Cu₂O成膜時の酸素流量による変換効率への影響が確認された。そのため，Cu₂O作製時の酸素流量について最適化を試みたところ8.5sccmのとき、変換効率は最大値である0.00254%となった。本研究では、膜構造の変化による光起電力の向上について検討した。

我々はこれまで単独のスパッタカソードを用いた大電力パルススパッタ装置に第三電極を追加し、プラズマ電位を上昇させて、プラズマ空間のイオンを設置基板に向けて加速することで、緻密な構造を持つ金属膜が得られることを示してきた。今回は、デュアルカソード構成で、各カソードのパルスのタイミングをずらし、パルス間欠期のカソードをプラズマ電位制御用電極として用いる装置を開発した。放電の基礎特性について報告する。

東工大と東芝エネルギーシステムズは重粒子線治療用小型入射器の共同研究を進めており、その真空性能の高度化のためにテスト空洞を試作してOリングとメタルシールリングの性能試験を行ったので報告する。

CERNで開発された非蒸発型ゲッターコーティング技術は多くの加速器用ビームチェンバの真空特性向上に寄与してきた。近年では、加速器以外の超高真空システムへの応用も求められており、様々な真空容器に取り付けてNEGコーティングを施すことのできる小型製膜装置の開発を開始した。本発表では、製膜装置の設計、表面分析を含む製膜結果について報告する。

ポリテトラフルオロエチレン（PTFE）の優れた特性から，その利用は広範囲の分野に渡っている。さらに，それらの特性を活かしながら，別の機能を付与すべく，PTFEを様々な手法で改質することが試みられている。良く知られているところは，物理的手法によってPTFEを表面改質した，撥水性や親水性の改善である。本研究では，プラズマ処理によりPTFEの表面改質を行い，処理条件と金属薄膜付着性の関係性を調査した。

近年、TiO2は様々な特性が注目されており、広く研究がされている。先行研究では反応性スパッタリング法によりCu2Oを下層に形成し吸光波長の拡大を試み、さらに酸化物中間層を挿入することにより光触媒効果の改善を行った。本研究では中間層にZnOを挿入し、最適な形成条件を調査し、そのメカニズムを検討した。また、先行研究の酸化物層との違いについて比較を行った。

To elucidate tribological phenomena in nano-confined condition is crucial important subject in nanofabrication processes and MEMS/NEMS. We previously investigated the behaviors of polymer materials (poly(methyl methacrylate) (PMMA) and polyethylene (PE)) under shear flow, and reported that the shear stress and the slipping modes can be changed by the experimental conditions. In this study, shear characteristics of PMMA and PE under shear flow are investigated based on molecular dynamics (MD) simulation.

A large amount of research had been directed at graphene and other two-dimensional (2D) materials due to their vast variety of unique physical properties. Transmission electron microscopes (TEM) are often used to observe the structures of 2D materials. In the observations, radiation damages are occurred by knock-on collision or excitations of the electronic system of the target. Recently, it is reported that graphene is used as coating materials to protect 2D materials from radiation damages. However, which heterostructure configurations are the best for protecting 2D material are not clear yet. In this study, molecular dynamics study including electron irradiation effects were carried out to investigate the shielding effect of graphene for protecting 2D materials.

Synthesis of nanostructures with atomic precision is getting crucial important in nanoscience and technology. Electron-beam induced methods are expected as candidate technologies to control their syntheses, and it becomes possible to observe and fabricate nanostructures in situ manners. One of the methods is to use electron irradiations for promoting the formation of crystalline Si nanodots embedded within an amorphous SiO₂ film. However, there are few technologies to observe the inside of synthesized nanostructures. In this study, molecular dynamics study including electron irradiation effects were carried out to investigate the internal structural changes of amorphous SiO₂ by electron irradiation.

高エネルギーのX線やガンマ線がフィールドエミッタアレイFEAの電子放出特性に及ぼす影響を調べた。100-tip のFEAでは、ガンマ線照射時・非照射時において顕著な差は見られなかった。1-tip FEAでは、高エネルギーX線照射の下では非照射時と比較してステップ状の電流変動が多くみられた。この結果から、個々のエミッタ表面では原子の移動などは通常以上に頻繁に生じていることが推測された。

溶媒/銀基板界面（Ag / BUDT）上に化学吸着した11-ブロモ-1-ウンデカンチオール（BUDT）の構造を表面増強ラマン分光法（SERS）を用いて評価した。 Ag / ＢＵＤＴのＣ-Ｓ結合の構造は溶媒の極性に強く依存していた。 極性の高い溶媒中では、trans型構造のＣ-Ｓの割合が増加した。 一方、極性の低い溶媒中ではgauche型/trans型構造の比が均衡し、不均一化が進行した。

酸素還元反応(ORR)の反応物である酸素分子は基底状態で常磁性であり、外部磁場を電極触媒に印加することによりORR活性が向上する。しかし電極表面の自発磁化とORRとの関係性は未だ不明確である。そこで本研究では磁気異方性とORR特性との相互作用の影響を明らかにするため、分子線エピタキシ堆積したCo/Pt(111)強磁性表面に熱処理を施し、垂直磁気異方性とORR活性の関係性について調査した。

チタンは生体材料として幅広く使用されている。チタンの表面は酸化物に覆われており、チタンの生体応答性はその酸化皮膜の性状と関係があると考えられている。本研究では、ターゲットにチタンを用い酸素ガスを用いた反応性スパッタを行った。その際、Ar圧力を変化させてスパッタを行った。製膜後、熱処理を行って結晶構造の制御を試みた。得られた薄膜の化学状態および結晶状態を、X線光電子分光およびX線回折により評価した。

GaInNは通常GaN上に成長させる． GaNとGaInNには格子不整合が存在するため，成長したGaInNに結晶欠陥が発生する。結晶品質の良いGaInNを成長させるためには，結晶欠陥の低減などの技術的課題が残されている．本研究では，RF-MBE法を用いてGaN基板上に異なる成長温度520~720°Cで成長を行い，XRD-RSM測定によって結晶品質について議論を行う．

窒素ドープカーボンの酸素還元反応活性点はピリジン型窒素によって構成されるが，その活性をさらに向上させる因子を明らかにすることが望まれる。本研究では，ピリジン型窒素を含有し、生体にて高いORR活性を持つフラビン酵素の反応機構に着目した。反応活性および反応電子数のpH依存性を調べたところ、pHの低下に伴ってH2O2の生成量が増加した．この機構について、分光測定等の結果を合わせて議論する。

本研究では，高周波マグネトロンスパッタ法によるAl-doped ZnO薄膜堆積において，基板に結晶質ZnOバッファー層を導入し影響を調べた．バッファー層の種類として，本研究室で堆積可能なZnO薄膜，ZnO nano rodを導入した．

真空装置用クランプ形継手は、NWフランジ等とも呼ばれ、真空装置・配管の接続に使われている。この継手は、ISO 2861:2013（JIS B 8365）として呼び径50までが規格化されている。その一方で、国内外では呼び径50以上の継手も市販されている。今年開催されたISO/TC 112/WG3では、その規格化への検討が承認された。本報告では、カタログ調査結果を中心にNW50以上についての現状をまとめた。

ナノギャップ間のトンネル電流をゲート電界で制御する新たなトランジスタが注目されている．3端子の電極それぞれがナノメートルスケールで接近した構造を簡便に形成する方法を提案する.金属電極を形成するための真空蒸着中のバイアス電圧印加により自己整合的に1 nm程度のナノギャップ構造を形成する方法を応用し、3端子電極間のトンネル電流を確認した.

ナノストライプ構造を利用して、ナノスケール摩擦における凝着力の影響を評価した。原子間力顕微鏡（AFM）を用い、異なる湿度環境でフォースカーブを測定した後、同一環境で摩擦測定により摩擦力を求めた。サンプルは、金、鉄、さらに両者が同一表面に交互に配置されているナノストライプサンプルを用いた。その結果、材料が微細化、ナノ構造化した際の凝着力、摩擦特性については、均一表面の場合と異なる可能性が示された。

有機半導体デバイスの効率には、有機分子の膜構造が大きな影響を及ぼすと報告されている。本発表では、チオフェン環・ベンゼン環構造の違い、特に硫黄原子の有無が膜構造に及ぼす影響に注目し、AuおよびSiO₂上に成膜したチオフェン環をもつα-sexithiophene、ベンゼン環をもつp-sexiphenylの吸収端近傍X線吸収微細構造(NEXAFS)を用いた配向評価の結果について報告する。

Bismuth (Bi) droplets were prepared by thermal dewetting from an epitaxially grown Bi film on silicon (Si). After exposing the Bi droplets to a high-power laser beam (785 nm), a strong enhancement of the Raman signal from the Si substrate beneath nano/microdroplets of Bi was observed. Spatially resolved Raman microscopy indicated that the as-fabricated Bi droplets inhibit the Raman signal from the underlying Si substrate. The Raman intensity of the enhanced Si optical phonons at the Bi droplets became more intense than that of the bare Si substrate. Alterations in Bi optical phonon modes confirmed a loss of long-range ordered crystallinity in the laser exposed droplets. This type of laser-induced lattice disordering in Bi droplets triggers an optical phase change, as its electronic band is easily distorted by structural changes, switching the Raman scattering properties from surface-inhibited to surfaceenhanced Raman scattering.

MoS₂などの原子層半導体同士の積層や他の半導体材料との積層によってさまざまなファンデルワールスヘテロ構造の作製が可能となってきた。本講演では、MoS₂とMoSe₂とのヘテロ構造において、各層に分離した電子と正孔による層間励起子が観測できることを報告し、その光学特性について議論する。さらに、MoS₂とGaNのヘテロ構造において、GaN基板の極性に応じたMoS₂の発光特性の違いについても報告する。

固液界面でのSTM測定において、２次元配列の表面被覆率の濃度依存性を測定し、2-チエニル型のジアリールエテン開環体が、協同性の高い配列形成メカニズムを取ることを明らかにした。対応する閉環体は同程度の濃度ではまったく配列を形成しないことから、高い協同性を用いた高い刺激応答性を持つシステムを構築できた。

遷移金属ダイカルコゲナイドとして知られるMoS₂薄膜は高いオン／オフ電流比を有する電界効果トランジスタ（FET）として期待され、大きな関心を寄せられている。 機械的剥離により、厚さ285 nmのSiO₂層を有するn型Si基板上にMoS₂薄層を堆積させた。 本論文では、MoS₂-FETを用いてCl₂やTCNQなどの小分子の吸着を検出した。 MoS₂薄膜に基づくFETセンサは、小分子に対して高い感度を示す。

二次元物質は表面積が大きく機械的柔軟性があり特異な電子状態を持っている場合が多く、新しい電子材料や触媒材料の候補として期待が高まっている。我々は、最近MgB₂のマグネシウムカチオンをプロトンと交換することにより、H：B = 1：1の組成比で構成されるホウ化水素（HB）シートが形成することを見出した。講演ではHBシートの生成法、構造、電子状態、機能に関する解析や評価の結果を紹介し、今後の展望を述べる。

本講演では表面・界面におけるナノスケール摩擦・凝着の制御に関する数値的研究について報告する。グラフェン/グラフェン界面などの高速摩擦計算に適したポテンシャルを開発し、原子間力顕微鏡のカンチレバーの効果を組み込んで、AFM測定と直接比較することに成功した。金表面に吸着したスマネン薄膜の探針による圧縮・摩擦特性を分子動力学シミュレーションを用いて調べた結果についても報告する。

原子層物質は「表面」のみで構成された構造を持つことや遮蔽効果の抑制により，その電子物性が外界物質との相互作用や外場に対して鋭敏に応答する．本講演ではグラフェンやMoS₂，TaS₂などの原子層物質において，物理吸着から共有結合の形成までに至るさまざまなエネルギースケールでの外界物質との相互作用とその電界印加効果について，構造および電子物性の観点から調べた結果について紹介する．

表面反応でボトムアップ合成したグラフェンナノリボン（GNR）のエッジ修飾は、GNRヘテロ接合に繋がる重要な要素技術であるが、リボン化の過程でエッジ修飾基を保持し続けるのは容易ではない。本発表では、エッジに修飾基を導入した前駆体を用いた、GNR表面合成の結果を概説する。さらにメチレンジオキシ基を付与した前駆体を用いて、ボトムアップ合成したGNRのエッジに酸素含有修飾基を残した結果を報告する。

グラフェンの放射率は波長に依存せず2.3%と単調である。本研究ではグラフェンの放射率に波長依存性を持たせるため、1.44nm周期の擬一次元周期ポテンシャルを持つHex-Au(001)再構成構造上にグラフェンを作製した。角度分解光電子分光法の結果はグラフェンのバンド構造の変調を示した。試料の熱放射光を光学顕微分光観察しHex-Au(001)再構成構造によるグラフェンの放射率の減少を見出した。

グラフェンの電子フォノン相互作用行列要素についてはいくつかの電子の始状態・終状態について描画した結果が報告されているが、ホットキャリアの緩和にも関係するΓ点における非占有状態などの強度分布は分かっていない。本研究では、グラフェンについて第一原理計算によって電子フォノン相互作用を計算した後、Γ点における占有状態及び非占有状態について、波数空間における強度分布を描画し解析を行った。

Recent progress of our research on CVD growth of two-dimensional materials, such as graphene, hexagonal boron nitride (h-BN), and transition metal dichalcogenides (TMDCs), as well as their heterostructures will be introduced.

我々は，垂直電場下での二層グラフェンの熱電効果を久保理論と温度グリーン関数法によって調査した．結果として，垂直電場の印加によって，その熱電性能が向上することが明らかとなった．さらに，constant-τ近似の下での我々の結果は，実験結果をよく再現し，多結晶グラフェンの粒界での散乱が支配的と仮定した場合に見積もられる平均的な粒の直径は，実験サンプルの粒の直径とよい一致をすることがわかった．

本研究では、グラフェンの水素イオン同位体の透過能を評価するため、ナフィオン/グラフェン/ナフィオン膜を作製、アノードおよびカソード電極間にグラフェン膜が担持された膜・電極接合体を構築した。グラフェン膜を横切る水素イオン同位体の電流を評価することで透過能を評価した。また、欠陥導入したグラフェン膜の透過能についても評価を行った。

グラフェンは高い機械的強度や電気伝導性により触媒や電極材料など様々な分野において応用されおり、分子修飾したグラフェンを様々な材料に被覆させることでさらなる応用が期待されている。本研究では銅基板に成膜したグラフェンに電気化学的にアリール基を修飾し、その分子修飾グラフェンを他の材料に転写を行った。修飾前後の表面を評価した結果、分子修飾したグラフェンを異種金属基板に対して転写できる可能性が示唆された。

グラフェンナノリボンにナノポアの配列を作ることによって、電子の伝導速度を維持したまま、フォノンの伝導を抑えられる熱電デバイスが作れると期待されている。しかしながら、グラフェンに単一エッジ構造を持つナノポアの作製技術は確立した報告がなかった。本発表は、透過型電子顕微鏡の電子ビームを用いて、グラフェンに形状、大きさ、エッジ構造を制御できるナノポアの加工技術に関して報告する予定である。

2次元層状物質の層間は、弱いファンデアワールス力により積層しているため、電気的な抵抗は面内に比べ極めて大きい。現在の半導体加工プロセスで電極を作製した場合には、表面から2層目以下の深い層への電気接点を確実に取る事は困難である。そこで本研究では、電極部分にプラズマ処理による数10nmオーダーの無数の穴状構造を作製し、電極との間に理想的なオーミックコンタクトを取る事を目指したので報告する。

酸化物（チタニア，アルミナ, セリア）表面上に原子数制御Ptクラスタを堆積させ，酸化物表面との相互作用によるPt活性点の構造変化とCO酸化反応との相関を調べた。Ptクラスタの構造は，構成原子数に応じて, 2D（1層）→ 3D（2層）→ 3D（3層）と変化した。この構造変化とCO酸化活性の変化の傾向が一致することを見出した。

イオン液体は難燃性・化学的安定性等の特徴を有し、二次電池等への応用が期待されているが、固体電極との界面で構造化し、そのことが時にデバイス効率低下の原因となる。電極の表面構造と界面イオン液体の構造化の相関の評価のため、熱処理によりグラファイトに深さや大きさを制御した穴を形成し、そのエッジ近傍でのイオン液体BMIM-TFSIの構造と、段差との相関を周波数変調原子間力顕微鏡により評価した。

我々は、独自に開発した原子間力顕微鏡をベースとする液中局所電位分布計測技術により、触媒、金属表面においてナノスケールで生じる反応分布を可視化してきた。また、これまで測定された電位分布からその電位起源が固液界面の溶液電位差にあることを仮説とし、それを実証してきた。本講演では、それらの結果と本計測技術が電極表面において電荷蓄積のメカニズムを解析するために有用であることを新たに示す。