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黒石 健太, 奥山 弘, 八田 振一郎, 有賀 哲也
セッションID: 1P10
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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一酸化窒素(NO)の還元反応の素過程を理解するために、Cu(100)表面上のNOについてSTMとEELSを用いて実験を行った。STMではNOは5 Kでは分子の形で吸着し、縮退した2π*軌道を反映してリング状の輝点として観察された。表面を加熱することでNOが別の化学種に変わり暗点として見えた。この化学種について、同位体を用いたEELSの実験によりNOの解離により生成した酸素原子であることが判明した。
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増田 雅子, 石川 大輔, 原 正彦
セッションID: 1P11
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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生命の誕生において,鉱物表面は金属に由来する触媒と反応場を与え得る重要な場である.特に,海底熱水噴出孔付近に豊富に存在する黄鉄鉱がもたらす鉄硫黄環境では,アミノ酸からペプチドが生成し得ることが報告されているが,表黄鉄鉱面における反応の詳細は解明されていない.そこで本研究では,アミノ酸単一分子と黄鉄鉱表面の吸着力を測定することで,分子吸着の反応メカニズムを解明することを目的とする.
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竹内 雅人, 柳 美早紀, 松岡 雅也
セッションID: 1P12
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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Cu交換ZSM-5をモデル触媒とし,アンモニア水の蒸気に暴露した試料について近赤外吸収測定を行った。その結果,Cu2+に吸着したNH3が4954 cm-1,水素結合NH3が5014 cm-1,Brønsted酸点で生じたNH4+が4778 cm-1に観測された。これらの帰属は,NIRスペクトルの二次微分解析からも明瞭に示された。さらに,NH3流通条件でNIR測定を行った結果についても報告する。
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平岡 侑馬, 藤島 皓介, 石川 大輔, 原 正彦
セッションID: 1P13S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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本研究は,生命の起源に着目し,多角的にペプチド—黄鉄鉱間の結合メカニズム解明に取り組む. 本研究の主な目的は, 黄鉄鉱に特異的な吸着力を示すペプチド配列を明らかにすることである. これまでにペプチドの設計を行い,またXPS測定の結果,ペプチドの構成アミノ酸の違いによって黄鉄鉱表面と異なる結合状態があることが判明した.また,原子間力顕微鏡(AFM)を用いて単一分子スケールでの吸着力の議論を行う.
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遠藤 理, 松井 文彦, 中村 将志, 田 旺帝, 雨宮 健太, 尾﨑 弘行
セッションID: 1P14
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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白金(111)面に形成したグラフェンはプロトンのみ透過することが知られている。本研究では〜10 nmのナノグラフェンで修飾した白金(111)電極の硫酸水溶液中の振る舞いをサイクリックボルタンメトリー(CV)と赤外反射吸収分光(IRAS)によって解析した。CVではプロトン透過に相当する電流が観測された。IRASにより高電位側でSO伸縮振動に帰属できる吸収バンドが観測され硫酸イオンの吸着が示唆された。
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草竹 佑哉, 齊藤 信雄
セッションID: 1P15
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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本研究ではGa2O3光触媒による水分解反応において、α相とβ相を複合化し水分解反応に効果的なα相とβ相の界面が多数存在する表面構造の設計を目的とした。担持法で作製した複合型α,β-Ga2O3はα相とβ相の界面が多数存在する構造を持つことが示唆されたが、水分解反応の向上はみられなかった。この原因として、α相とβ相の接合が不十分であると考えた。そこで、接合時の焼成温度や時間を制御し接合強化を検討した。
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居石 一朗, 齊藤 信雄
セッションID: 1P16
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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本研究は、RuO2助触媒を担持した光触媒において、熱処理によりRuO2と光触媒が強固に接合した構造を作製し、光励起電荷の分離を促進することで水分解活性を向上させることを目的とした。熱処理温度を上昇させることで、RuO2粒子は棒状から球状に変化し、水分解活性は向上した。RuO2と光触媒の接合が強固になったことにより、光励起電荷の分離が促進されたことによると考察した。
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長澤 遼, 齊藤 信雄
セッションID: 1P17
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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本研究では、NH3気流下におけるNaClフラックス法を用いた表面の結晶性が高いMgドープGaN光触媒の合成を試みた。X線回折測定において、β-Ga2O3に帰属されるピークに加えて、ウルツ鉱型のGaNと一致するピークが観察された。NaClフラックス法を用いたNH3処理において、β-Ga2O3粒子の表面の一部が窒化されることが示された。NaClフラックス法により得られた試料の水分解活性について調べた。
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田和 大典, 山田 剛司, 加藤 浩之
セッションID: 1P18S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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優れた発光特性を持つ芳香族炭化水素の一つであるピレンを超高真空中でグラファイトの表面に蒸着させ、走査型トンネル顕微鏡(STM)や二光子光電子(2PPE)分光を用いて吸着構造と電子状態を計測した。基板の温度によって2種類の超構造が存在することがわかり、両者の違いは分子配向が異なることに由来することがわかった。また、2PPE分光により、占有・非占有準位を計測し、超構造との相関について考察を行った。
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馬場 祐治, 下山 巖
セッションID: 1P19
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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Si化合物のX線光電子分光法測定における多原子共鳴について検討した。Si3N4とセルロース粉末の混合物ペレットにX線を照射すると、X線のエネルギーがSi 1s→3p*共鳴領域のとき、N 1s光電子強度が減少したが、O 1s光電子強度は変化しなかった。このことから多原子共鳴による光電子強度の減少は、共鳴励起する元素に直接結合した原子のみで起こることがわかった。
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中村 優作, 楠見 将啓, 平井 義彦, 安田 雅昭
セッションID: 1P20
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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電子線誘起堆積において放出される二次電子をシミュレーション解析した。試料に入射した電子と試料中で生成する二次電子の軌道は電子散乱のモンテカルロ法により追跡した。試料から二次電子が放出された位置に分解生成物を表す粒子を配置することにより,電子線誘起堆積による構造物の形成を再現した。堆積過程に見られる典型的な構造を対象に,放出される二次電子の空間分布やエネルギー分布を解析した。
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内藤 完, 中塚 聡平, 小川 修一, 虻川 匡司, 江口 豊明, 服部 賢, 服部 梓, 黒田 理人
セッションID: 1P21
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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3次元構造のトランジスタFinFETの側面は、想定された(110)面ではなく(551)面で形成されていることが報告されているなど、(551)は安定な表面と予想される。一方でSTMの研究ではSi(551)面は、{20,23,4}ファセットから構成されているとの報告もある。そこでSi(551)基板を超高真空中で加熱清浄化し、その表面構造をワイゼンベルグ反射高速電子回折法とSTMを用いて観察を行った。
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荒 海成, 金丸 廉二朗, 廣木 竜徳, 内藤 正路, 碇 智徳
セッションID: 1P22
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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有機分子で電子デバイスへの応用が期待されている銅フタロシアニン(CuPc)をSi(100)表面上に蒸着させてCuPc薄膜を形成し,走査トンネル顕微鏡(STM)や低速電子線回折法(LEED)を用いて基板表面の観察を行うことで,CuPcの配向や配列についての解明,CuPc薄膜の構造解析を行った。本研究では,基板の加熱条件を変化させることでCuPc薄膜に変化が生じることがわかった。
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山田 雄也, 白土 恵輝, 井田 孟, 小野 魁士, 内藤 正路, 碇 智徳
セッションID: 1P23
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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近年,電気的特性の高いグラフェンが注目されているが,形成方法を明らかにしていく必要がある。そのため,6H-SiC(0001)基板にイオンビーム(IB)照射およびSi蒸着をしたのち,基板のアニールを行い,STM観察およびRaman分光測定を行った。本研究では,IB30°で品質の高いグラフェンを得ることができた。今後は実験条件を変化させて高品質のグラフェンが得られる条件を探っていく必要がある。
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奥田 啓太, 中村 将志, 星 永宏
セッションID: 1P24
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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Li+のような水和エネルギーの大きいカチオンは外部ヘルムホルツ面で安定な水和構造を形成するため電極反応を阻害することが知られている。電極反応メカニズムの理解には,水和構造を定量的に調べる必要がある。本研究では固液界面の選択的な観測を妨げるバルク電解液を排除した超高真空中でPt(111)上にOH,H2OおよびLi+を共吸着させ電気二重層の再現を試み, 電気化学環境下の結果と比較した。
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阿久津 典子
セッションID: 1P25
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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制限solid-on-solid (RSOS)模型の(001)面から<111>方向に傾いた微斜面について非平衡定常状態における表面荒さが成長駆動力、温度、表面傾きによりどの様に変化するのか、についてモンテカルロ計算法により調べた。その結果(001)面の運動学的ラフニング転移点とは別にBKTラフ表面からKPZラフ表面へのクロスオーバー点が有ることが判った
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浜田 雅之, 長谷川 幸雄
セッションID: 1P26
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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走査トンネルポテンショメトリは、表面に電流が流れている状態での電位分布像を極めて高い電位・空間分解能で取得する顕微手法である。我々は、超高真空対応の装置開発を進め、室温でSi(111)-7x7表面での電位分布測定に成功し、位相境界での電位変化の存在を初めて明らかにした。次の段階として、局在や閉じ込め効果等の量子現象が期待される低温下での測定に向けて開発を進めているので、その進捗状況を報告する。
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五十嵐 一歩, 石川 雅士, 山本 祐揮, 嵐田 雄介, 吉田 昭二, 武内 修, 重川 秀実
セッションID: 1P27
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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パルス幅30fs以下の中赤外パルスを、超高真空チャンバ内に設置されたPt/Ir探針とトポロジカルBi2Se3間のトンネル接合に照射し、予めパルス幅8 fsの近赤外パルスにより試料内に励起された電子をトンネル電流としてプローブすることで時間分解測定を行った。さらにBi2Se3上で遠方場波形と同程度の応答が観測され、光電場駆動のSTMとしては最も時間分解能の高い測定結果を得た。
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石川 雅士, 五十嵐 一歩, 山本 祐揮, 嵐田 雄介, 吉田 昭二, 武内 修, 重川 秀実
セッションID: 1P28
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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我々は数10 fsの時間分解能を持つ時間分解STMの開発を行っている。パルス幅 8 fsの近赤外パルスと30 fsのサブサイクル中赤外パルスをSTM探針先端に照射し、探針先端に生じる近接場波形の時間分解測定を行った。近赤外パルスにより励起された光電子による電流を中赤外パルスで変調することで約30 fs程度の中赤外近接場波形が探針先端に生じていることが確認された。
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佐藤 祐輔, 栗原 貴之, 板谷 治郎, 松田 巌
セッションID: 1P29
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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角度分解光電子分光(ARPES)は物質中の電子のバンド構造を決定する方法として広く用いられている。ARPESの光源としてレーザーを利用し、また検出器として飛行時間型のアナライザを使用すると、高分解能・高収率の測定が実現できると期待される。現在我々は、二次元飛行時間型アナライザを用いた時間分解レーザーARPESシステムを開発している。本講演では同システムの開発状況と今後の展望について議論する。
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竹内 走一郎, 松下 智裕, 橋本 由介, 大門 寛
セッションID: 1P30S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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最新の原子像再生理論を用いて光電子ホログラムからW(110)-(1×1)-Oの立体構造解析を行った結果について報告する。光電子ホログラムには励起原子周囲の構造情報が含まれている。そのため、ホログラムを解析することで原子像再生が可能であると考えられている。しかし、散乱時の位相変化により困難であった。近年、散乱による位相変化を含んだ解析法が開発され適用した結果、精度の良い原子像を得ることに成功した。
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深澤 優子, 鈴木 康文
セッションID: 1P31
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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アルカリハライド表面に電子が入射すると,結晶内部で数種の欠陥が生じる。一部の欠陥は固体内を拡散して表面付近で欠陥の集合体を形成し,表面原子を刺激脱離させる。電子線照射量に応じて1原子層ずつ剥離するように脱離する。本研究では電子刺激脱離したKBr表面に15keVの陽子を斜入射し,表面原子の脱離周期に応じて振動する散乱強度を調べ,表面下に蓄積する欠陥の評価方法について検討した。
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古賀 峻丞, 室 隆桂之, 橋本 由介, 松下 智裕
セッションID: 1P32S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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層状物質であるMoS2は遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)の一種で耐熱性と高い移動度などの特長を持つことから、新規のデバイス材料として期待されている。また、他の層状物質ではあるが表面緩和現象が報告されていることから、立体原子配列を直接観測できる光電子ホログラフィーを用いてMoS2を測定し、表面局所構造から表面緩和の解析を試みた。本発表ではシミュレーションとの比較による詳細な解析結果を報告する。
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田中 晶貴, 橋本 由介, 桃野 浩樹, 松田 博之, 大門 寛, 松下 智裕
セッションID: 1P33S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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結晶中の局所原子配列を直接観測する光電子ホログラフィーは、ドーパント構造や相転移した構造の解析に用いられている。本研究では、ペロブスカイト型の強誘電体であるBaTiO-3の局所原子配列を観測した。この物質はTiの元素サイトが変位することで分極すると考えられている。実験とシミュレーションから得られたホログラムから、外部電圧に対する原子位置の変位について調査した。
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Rohit Yadav, Prerna Joshi, 原 正則, 吉村 雅満
セッションID: 1P34S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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In this study, we have investigated the charge storage mechanism in the synthetic graphite and N-doped reduced graphene oxide electrodes via Raman spectroscopy during electrochemical charge-discharge measurement. The in situ electrochemical Raman spectroscopy was performed in our customized coin cell setup. Li+ intercalation in graphite anode starts via initial intercalation through the edges of the flakes and then proceeds to the formation of graphite intercalation compound (GIC), which is observed by G band splitting in the Raman spectra in potential range 0.2 to 0.1 V vs Li/Li+. Whereas, in the case of N-rGO, the defective sites and N vacancies provide available surface area for Li+ to directly diffuse into the N-rGO lattice resulting in high charge storage capacity at higher potential limit i.e. V> 0.2V. The decrease in Raman intensity and simultaneous broadening of the G band was also observed for the N-rGO, which could be due to the creation of disorderness and inhomogeneity into the N-rGO lattice by the intercalation of solvated Li-ions.
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家持 圭佑, 溝道 桂介, 三井所 亜子, 山㟁 崇之, 青柳 里果
セッションID: 1P35
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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二次イオン質量分析や質量分析では、共存物質の影響によって、同じ物質由来の二次イオン強度が増大・抑制されるマトリックス効果が知られており、二次イオン強度が目的物質の濃度に対応せずに定量分析が難しい場合があるという課題がある。本研究では、2種類の有機EL材料の飛行時間形二次イオン質量分析(TOF-SIMS)による測定データを解析し、マトリックス効果の機構解明と補正方法開発を目指す。
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原田 研, 森 茂生, 高橋 由夫
セッションID: 1P36
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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ホロコーン照明を用いた空間磁場のシュリーレン観察法について発表します。
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原田 研, 小野 義正, 高橋 由夫
セッションID: 1P37
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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レンズレスフーリエ変換ホログラフィーによる電子らせん波の観察について発表します。
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原田 研, 高橋 由夫, 明石 哲也, 児玉 哲司, 嶌田 惠子, 小野 義正, 森 茂生
セッションID: 1P38
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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位相変調を伴う二重スリット干渉実験について発表します。
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谷口 昌宏
セッションID: 1P39
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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トロイダルセクターによる静電偏向レンズを用いたアトムプローブについて、その再検討を電界シミュレーションによって行なった。その結果、従来の設計値に対して端縁場の効果を含めて配置を行うことでより設計意図に沿った動作が可能であると分ったので、それに基いて再設置した装置の特性を報告する。
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柳生 進二郎, 三井 正, 知京 豊裕, 長田 貴弘
セッションID: 1P40
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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試料サイズが0.5〜1インチのコンビナトリアル薄膜試料を対象とした2次元磁場特性マッピング装置の開発が望まれている。従来のシステムでは、磁場を印加する磁石の大きさがネックとなっていた。そこで、磁石の小型化のためにパルスマグネットを用い、パルスマグネットと高速度カメラを組み合わせて小型磁場特性マッピング装置を開発した。
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永井 滋一, 鈴木 勝成, 酒井 瞭, 畑 浩一
セッションID: 1P41
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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電界放出電子分光法によって,偏極度30%と放出電流の増強が期待されるCr/W(113)スピン偏極電子源の特性をより詳細に評価した。放出電子のエネルギー分布より見積もられた仕事関数より,W(113)上にナノ突起構造が形成されていることが判明した。また,フェルミ準位を基準に-0.8 eVに存在するエネルギー準位からの放出電子が,印加電界の増加に伴う偏極度の低下に寄与していることが示唆される。
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石黒 大暉, 水津 理恵, 星野 勝義, 坂本 一之
セッションID: 1P42
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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ホールドープされたオリゴチオフェン膜は金属調光沢を発現することがわかっており、これまでオリゴチオフェンが作るラメラ構造が金属調光沢に影響していると考えられきたが、その原理の詳細は未だ解明されていない。本研究では、X線光電子分光およびX線吸収端近傍スペクトルを用いて薄膜の電子状態および分子配向を調べた。その結果、ラメラ構造は確認されず、新しいモデルの必要性が示唆された。
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髙橋 駿太, 山本 幸弘, Liliany N. Pamasi, 清水 智也, 服部 梓, 田中 秀和, 桃野 浩樹, 服部 賢
セッションID: 1P43S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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本研究室では、RHEEDによるモーター制御の方位角走査により三次元逆空間マップを作成している。これは基板表面に垂直な逆格子ロッドの解析にも有効である。しかし、近年、斜面、側面など基板表面とは異なる方位を持つ三次元立体試料の需要が増加している。これを解析するためには、方位角のみならず視斜角等の他軸もモーター制御する必要がある。現在このためのシステムを構築しており、現状について報告する。
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奥野 健也, 大上 丞, 加藤 有香子, 三木 一司, 武田 さくら
セッションID: 1P44S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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ワイドギャップ半導体Ga2O3は次世代パワーデバイス用材料の有力候補である。しかし製品化には欠陥密度低減が必要で、それには欠陥の由来を明らかにする必要がある。我々は角度分解カソードルミネッセンスを開発し、Ga2O3の欠陥の深さ分布を調べた。その結果、高表面感度の低視射角電子線照射で赤色発光ピーク強度が増加することを見出した。これより赤色発光の原因となる欠陥が表面に多く存在することが明らかになった。
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羽生田 聖人, 野崎 美沙, 二木 かおり
セッションID: 1P45
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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これまでに我々は,固体中の光電子の散乱を含んだ計算法(多重散乱法)を分子結晶の計算に向けて拡張して光電子強度角度分布(PMMs)計算を行った.これにより平面波近似では再現できないピークを再現することに成功し,PMMs計算における光電子の散乱項の重要性を明らかにした.本研究では,分子軌道からの光電子放出を取り扱うにあたり,始状態をどのように使うかを議論する.
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𠮷田 一輝, 松尾 直人, 住友 弘二, 部家 彰, 山名 一成, 原田 哲男, 渡邊 健夫
セッションID: 1P46
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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我々は過去にDNAを用いたトランジスタに軟X線照射を行うことで,DNA損傷に起因すると思われるドレイン電流値の減少を確認した。本研究では,DNAの放射線損傷メカニズムを検討するこ とを目的とし,全電子収量軟X線吸収分光(TEY-XAS) を用いて一本鎖 DNAの構造変化の解析を試みた。得られたスペクトルから,DNAの塩基部分にピリミジン二量体の形成や,チミンに含まれるメチル基の脱離の可能性が示唆された。
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中村 周作, 市川 優史, 藤井 俊治郎, 本多 信一, 新部 正人, 寺澤 倫孝, 肥後 祐司, 庭瀬 敬右
セッションID: 1P47
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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本研究では、室温加圧及び減圧下での中性子照射高配向性熱分解グラファイト(HOPG)の構造変化をその場XRDを用いて調査した。照射HOPGでは照射による構造の乱れに起因し、グラファイトG(002)ピークがブロードになっていることが分かった。また、照射HOPGのG(002)ピークを解析した結果、ローレンツ関数を用いて2成分でフィッティング出来ることが分かった。構造変化の詳細については当日報告する。
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春山 雄一, 部家 彰, 住友 弘二, 伊藤 省吾
セッションID: 1P48
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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ニュースバル放射光施設のビームライン7Bのエンドステーションに加熱されたタングステンで発生する原子状水素を用いた表面処理装置を製作した。この装置は、エンドステーションに直接取り付けているため、原子状水素を大気に晒すことなしに試料を評価することができる。原子状水素処理後、X線光電子分光により、炭素由来の表面汚染物が除去が除去できることを確認した。
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金 秀光, 谷本 育律, 内山 隆司, 本田 融
セッションID: 1P49
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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非蒸発ゲッター(NEG)材は化学吸着や吸蔵により排気し、再活性化過程では表面吸着ガスを内部に拡散して綺麗な表面を取り戻す。そのため、再活性化回数を増やすと、飽和により排気性能が劣化する。本研究では、NEG材であるTiZrVをコーティングしたダクトの使用寿命の向上を目指して、異なる種類のガスを吸着させ、再活性化過程での脱離特性や排気性能変化への影響を調べた。
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塩野入 正和, 吉原 正, 木村 隆幸, 栗巣 普揮
セッションID: 1P50
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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超高真空環境が必要な粒子加速器に使用される銅製部品は、高い清浄性が求められる。そのため、電解研磨や化学研磨後に精密洗浄を行うことが一般的である。本研究では、化学研磨後に精密洗浄した銅(C1020)の清浄性をイオンクロマトグラフィおよびガスクロマトグラフィ質量分析法で無機、有機残渣量を定量することで評価した。その結果、半導体業界での銅に対する残留イオン、有機物の許容量を下回る高い清浄性が確認された。
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土田 遼介, モハメッド シュルズ ミヤ, 中野 武雄
セッションID: 1P51R
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
会議録・要旨集
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非蒸発ゲッタ (NEG) は加熱により表面を活性化し、残留ガスを吸着・排気する材料である。表面積が大きい鋸歯形状の基板へ典型的なNEG材料であるZrをスパッタ製膜し、膜厚分布を評価した。構造を持つ基板へ膜厚を均一に製膜するため、2方向から製膜できるデュアルカソード装置を使用し、基板の回転を行った。谷から山へ向かうにつれて膜厚は増加し、膜厚比は2.2倍となった。今後は他の手法により均一性の向上を目指す。
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多田 涼馬, 山本 将博, 片桐 創一, 山納 康, 谷本 育律, 宮島 司, 東 直, 金 秀光, 内山 隆司, 伊藤 雅英
セッションID: 1P52S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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超高真空中の電極間放電は電子刺激脱離が深く関与し、特に陽極で発生するイオンの抑制により真空放電を抑制できる可能性がある。そこで,表面が排気能力を持つ以外に電子刺激脱離を抑制できる非蒸発型ゲッター(NEG)材を電極に成膜し,そのNEG膜の評価を行う。成膜した電極による放電試験によりイオン発生源となる電子刺激脱離そのものを低減化することで,真空放電が抑制されるかを実験により検証する。
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吉田 肇, 平田 真央, 原 努, 樋口 泰彦
セッションID: 1P54
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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これまで漏れ孔径とリーク量の関係は、層流(ハーゲン-ポアズイユ)の式で説明されることが多かった。しかし、アルミ箔等に発生するピンホールの場合、漏れ孔の直径dに対する漏れ孔の長さl (l/d比)が小さくなるため、層流の式では説明できないことが懸念された。本研究では、ステンレス薄板にレーザー加工で孔をあけることにより、ピンホール試料を作製し、ピンホールを通過する空気リーク量を測定し、解析した。
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新井 健太
セッションID: 1P55
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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真空用ナイフエッジ型フランジは、真空装置の締結用に国内外で幅広く使用されている。しかし、歴史的な経緯から、現時点ではJVIS、ISO、ASTMが並列している。JVIS-ISO間については既に互換性は調査されている。今回、将来のJIS化を踏まえ、対象をASTMにまで広げてフランジ間の互換性を調査した。その結果、一部呼び径において注意が必要だが概ね寸法上の互換性があることがわかった。
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杉沼 茂実, 平田 正紘
セッションID: 1P56
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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離散的なグリッドの電極モデルを用いて、B-A真空計の比感度係数の有限要素法によるシミュレーションを行った。シミュレーション結果は、グリッドのワイヤーの巻かれる間隔が変化すると比感度係数も変化する可能性を示唆した。
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芦川 直子, 胡 振華
セッションID: 1P57
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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Trapped deuterium (D) in coated lithium layers was investigated in EAST. Depth profiles of deuterium retention in lithium layers were analyzed using glow discharge optical emission spectroscopy. Thick lithium layer of 7.2 micron was coated on tungsten specimen at the high field side during one experimental campaign of EAST, and deuterium was trapped in the lithium layer until interface. Higher oxygen intensities were counted in the lithium layers and it suggested that lithium forms oxide. From one day sample exposure, D was observed on the surface layer only and D intensities were about one order of magnitude lower than that of long term exposure. Hence, higher D trapping in lithium layer was performed by long term plasma-lithium interactions.
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亀元 順平, 野口 大輔
セッションID: 1P58S
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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本研究では、ポリカーボネート基板にシラス薄膜を成膜した防曇材料の開発を提案する。その際、薄膜の密着性向上を目的とし、PC基板を逆スパッタリング法によって表面改質をした。処理後の表面状態は、フーリエ変換赤外分光光度計、走査プローブ顕微鏡を用いて評価した。その結果、高活性な官能基の導入および粗面化が確認された。また、作製したシラス薄膜をスチーム試験によって評価し、十分な密着性があることが分かった。
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山波 加苗, 松井 一真, 浅里 隆, 清水 智子
セッションID: 1P59
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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多孔質構造を持つ薄膜は、特定の分子や原子を取り込む吸着材として有用である。我々は、成膜プロセスの中でもラングミュアトラフを用いた気液界面で均一な多孔質薄膜を得る方法に着目している。大きさは異なるが組成と構造の類似した2つの有機分子の薄膜を作製した。原子間力顕微鏡像から2種の薄膜作製の成功を確認した。また、分子動力学計算から、2次元単分子膜が積層することにより構造が安定化することが示唆された。
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岩波 睦修, 田川 一生, 安野 聡
セッションID: 1P60
発行日: 2020年
公開日: 2020/12/23
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自動車用エンジン油に含まれるアルキル基の長さの異なる摩耗防止剤ZnDTPを極性の異なる基油に添加した潤滑油を使用して金属表面に形成させた厚さが数10nmの反応膜についてHAXPES分析を行い、主に反応膜を構成しているポリリン酸の分子鎖の長さを推定した。その結果、使用する基油の極性、ZnDTPのアルキル基の長さにより、反応膜中のポリリン酸分子鎖の長さが異なることがわかった。
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