日本暖地畜産学会報
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一般論文
  • 長嶺 樹, 渡谷 真月, 砂川 勇人, 酒井 宏
    原稿種別: 一般論文
    2023 年 66 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/11/22
    ジャーナル フリー

    輸入飼料依存による飼料費増大の抑制は畜産農家の課題であり,その解決策の1つがエコフィードで あるが,開発には嗜好性と有用性の解明が必須である.本研究では廃棄されているアロエベラに着目し,アロエベ ラ配合飼料の嗜好性と有用性の解明を試みた.ヤギ8頭(雄雌各4頭,2群に無作為配置)を供試し,対照区(市販飼料)と試験区(アロエベラ飼料)を設定した.嗜好性試験では採食量と採食時間を調査した.給与試験では体重,BCS,FAMACHAスコア計測,血液分析を行った.試験区で良好な嗜好性を示した動物の採食時間は嗜好性の良い対照区と差がなかった.試験区の体重 ,BCS,FAMACHAスコアは対照区と同様であり,栄養状態と内臓器官 の代謝機能も飼料間で差がなかった.以上より,アロエベラ配合飼料は馴致が必要ではあるが短期給与では嗜好性は良好で,栄養状態,代謝機能に問題はなく,飼料費抑制が可能であることが示された.

技術報告
  • 髙山 耕二, 渡邉 友子, 中村 南美子, 大島 一郎, 中西 良孝
    原稿種別: 技術報告
    2023 年 66 巻 2 号 p. 61-65
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/11/22
    ジャーナル フリー

    本研究では,アイガモの放飼が水田の動物相に及ぼす影響を明らかにするために,農林水産省農林水産技術会議事務局ら(2012)が公表した「農業に有用な生物多様性の指標生物調査・評価マニュアル」を基にアイガモを放飼せずに手取り除草を行った水田(対照区)とアイガモを放飼した水田(試験区)でアシナガグモ類,コモリグモ類,ウスバキトンボ,イトトンボ類および水生コウチュウ類を指標生物として,両者の生物多様性を比較した.試験区では,アイガモによるイネウンカ類の顕著な駆虫効果が認められる一方で,田面水に生息するウスバキトンボの幼虫と水生コウチュウ類に対する捕食圧も高かった.しかしながら,イネウンカ類の天敵であるアシナガグモ類とコモリグモ類の減少はみられず,アイガモの水田放飼は水田全体の生物多様性を大きく低下させるものではなく,むしろ生物多様性を高いレベルで維持することが示唆された.

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