水資源・環境研究
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1988 巻 , 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 喜多村 俊夫
    1988 年 1988 巻 2 号 p. 1-14
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    かって,一筋の流れを共にする村落群の間における用水関係では,その最上流に位置する村落が「水上村」或は「水元村」として下流の村落に対し特権的,支配的な地位を占めていた。この「水上村」が草刈場の入会権をめぐり他村落と争訟を抱えていた,西近江,旧伊香立庄での場合には,そのような複雑な勢力関係の中にあったにも拘らず,一小村による用水支配が維持された実態を知ることができる。
    その特権的な地位の淵源は,やはり最上流に位置しているという事実にあり,この点は他の諸事例からも確認されよう。このこと自体は,近世の領主制の下でも裁判を通して是認され,水利のルールとしては定着していたと言える。
  • 内田 和子
    1988 年 1988 巻 2 号 p. 21-32
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    北上川中流の一関付近は水害常習地として知られるが,その地域の沖積平野の地形及び洪水に関する研究は少ない。
    筆者は同地域の地形分類を行い,沖積平野及び洪水の特色を指摘した。その結果,本川の洪水形態には,溢水・ショートカット型,河道集中型,背水型の3種類があること,磐井川の洪水形態は破壊力の強い扇状地型であること,本川の背水型と磐井川の扇状地型の洪水を受ける一関市街地の水害は大きなものとなり,両川からの浸水範囲は一定の地域に限定されることが判明した。
    これらの特色をもたらした原因を地質資料・1等水準点測量成果・洪水状況より考察し,地殻変動による影響の大であることを明らかにした。
    さらに,遊水地建設に関連し,一関付近の地形と洪水に適合する治水計画の必要性を示唆した。
  • 西頭 徳三
    1988 年 1988 巻 2 号 p. 33-46
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    今日水辺の環境が再評価されている。ところが一般に,わが国の水辺は溜池,ダム,用水路など農業水利施設と深く関わっているために,その維持管理のあり方が水辺の環境保全に大きく影響すると考えられる。
    そこで本稿は経済性の観点から維持管理の実態を比較分析した。調査対象地として,土地利用の変化が著しくかつ水源の多様化の著しい,静岡県掛川市を選定した。
    維持管理における規模の経済は,頭首工による河川水利用では非常に有効に作用しているが,溜池水利用ではほとんどみられない。しかし河川上流部では,受益地が狭小なために維持管理費が増蒿し,他方下流部では河川の流量不足のために水源が複合化し,二重,三重の費用負担を余儀なくされている。他方小規模溜池の受益地では,転作拡大→耕作放棄→溜地管理の粗放化の傾向が現われている。
    したがって水辺の環境保全の基本的要件は,(1)河川上流部の小規模水利組合の強化と負担金の軽減,(2)中下流部用水不足地区を中心とした維持管理組織・農業生産組織の再編成による用水の合理的利用,(3)小規模溜池に対する維持管理組織の再編強化の三点にある。さらにこれら三つの基本的要件は,(4)掛川市全域の水利施設の維持管理を補完する「総合的水管理システム」の確立という要件を希求するものである。
  • 雄倉 幸昭, 大槻 均, 山本 正視
    1988 年 1988 巻 2 号 p. 47-61
    発行日: 1988/09/01
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    上水道の規模を決定するピーク需要量は,明らかに気象の影響を受けるはずである。しかし従来は,需要の傾向変動のみを追究し,その水源の安全度は,再現確率のみに頼っていた感があった。
    本論文では,気象も,さらには社会現象を含めても,それらは比較的長い周期のうねりを持っており,その上に各年固有の気象要因が重なったものであり,水需要はこれらのうねりと要因の影響を受けた結果と考えた。3企業体について,このうねりをスペクトル分析で求め,それに12項目から重回帰分析で抽出した気象要因を導入して,回帰式の適合度を高めた。有意な気象要因は,年間雨量,ピーク需要発生直前の雨量,日照時間および真夏日日数であった。
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