水資源・環境研究
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1999 巻 , 12 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 大場 和久
    1999 年 1999 巻 12 号 p. 1-10
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    産業公害を克服し、快適都市づくりの段階へと移行しようとする都市がある。快適都市づくりのためには快適性の定量化が必要となるが、住民の抱く都市の快適性についての情報を把握していないため、総花的な計画にとどまっている例が多い。
    住環境の快適性を定量化する方法として、快適性を経済的尺度であらわそうとするCVM(Contingent Valuation Method)と、直接的に快適性を定量化しようとする方法がある。快適性の尺度として、筆者らはこれまでに住民が住環境に対して抱く快適性を快適度という尺度で表す方法を提案してきた。本稿では、調査結果から得られた都市施設の快適性についての二面性、自宅までの距離と快適度の関係や住民属性と快適度との関係について論じ、快適度調査手法を用いた.住環境改善の手順を示す。また、尺度としての快適度の特性をCVMと比較を行う。
  • 神吉 紀世子
    1999 年 1999 巻 12 号 p. 11-17
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    農村の環境は人間の環境との影響関係のもとになりたつ文化景域であり、水環境についても集落の生活の中でさまざまな水とのかかわりがあって維持されていたものである。岡山県津山市において市民のまちづくり活動の一環として行われた、高年齢の市民が昭和初期までの子供時代に体験した暮らしと環境の関係の記憶を集成した調査に着目した。
    水の入手先、洗濯、風呂、台所などでの利用、再利用、捨て方が現代よりも複雑で排水が直接川や水路に流れこまない等、水環境と暮らしの多様な関係がみられる。大きな河川や井堰などは地形図で確認できるので、地形図上で昔の暮らしの記憶がより具体的に理解できる。このような関係は高齢者の話をていねいに聞くことでかなり集められる。それを活かして、実際に水環境の保全につなげるには、昔からの環境と人のかかわりを必要なところは現代的に新しいあり方で構築する必要があり、その事例として都市住民参加で水車の修繕保存を行った例をとりあげた。
  • 安 洪奎, 天田 高白
    1999 年 1999 巻 12 号 p. 18-28
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    河畔域(riparian zone)は流域全体の約5%程度を占めるに過ぎないが、陸域生態系と水域生態系の接点として中間的に位置し、河畔域に存在する河畔植生(riparian vegetation)は、他の地域で見られる一般的な陸域植生とは区分できる独特な生活パターンをもっている。特に水資源保護のために重要な空間である上流域では、河畔植生がもっている機能的な面が強調、評価されている。
    日光国立公園に見られるように、近年利用頻度がだんだんと高まりつつある国立公園内の河畔域においては、都市河川で見られるような人為的影響ばかりではなく、野生動物による河畔植生に及ぼす影響も大きいと考えられる。そこで本研究は、国立公園内の河川上流域で保全生態学的側面から、河畔植生の保護および管理面で河畔域の利用を高めるため、河畔林の種組成の特徴と河畔植生に及ほす人為的および野生動物の影響(以下外部的影響)の程度を現地調査により区分・分析した。
  • 中嶋 信
    1999 年 1999 巻 12 号 p. 29-34
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    建設省の巨大可動堰計画に対して、徳島県の住民は住民投票条例を制定するなどの取り組みを通じて事業強行に歯止めをかけている。住民がそのような運動を進めた原因は、第1には建設省の計画のずさんさにあり、第2には事業者の強引な推進姿勢にある。このような地域的混乱を解決するためには、事業の構造を住民との対話を軸とした型に転換することが不可欠である。
    新たな河川法に基づき、建設省が「コミュニケーション型行政」を掲げていることは、その点で歓迎すべきである。ただし、それは現時点では宣言的なものにとどまり、新たな対応は認めうるが、依然として権力行政的色彩が基調となっている。その本格的転換のためには、住民運動の一層の展開が必要である。吉野川可動堰の事例を踏まえて、河川行政転換の到達点を検討しよう。
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