水資源・環境研究
Online ISSN : 1883-9398
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ISSN-L : 0913-8277
26 巻, 2 号
水資源・環境学会創立30周年記念特集号「水とサステイナビリティ」
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
特集にあたって
特別寄稿
座談会
論説
  • 宮永 健太郎
    2014 年 26 巻 2 号 p. 59-66
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/09
    ジャーナル フリー
     本稿は、持続可能な水資源・環境保全という公共政策の内容やそのあるべき姿について、「生態系サービスマネジメント」という視点から分析・提示を試みたものである。具体的には、水生態系サービスが有する「公共性と地域性」、「複数性」、「不確実性」という計3点の性質に着目するとともに、これまで再三議論されてきた「水生態系保全」、「水の公共性とその価値」、「水行政の縦割りと政策統合」、「順応的管理」、「市民参加」といった政策的テーマがもつ理論的・実践的意味を、生態系サービスマネジメントという視点から包括的・統一的に示した。また同時に、生態系サービスという概念を水資源・環境保全分野に適用する際の注意点についても言及し、既存の議論に欠落している論点を補強することで生態系サービスマネジメントアプローチのさらなる展開可能性を模索した。
  • プロパティ・ライツ制度論によるアプローチ
    木下 幸雄, Crase Lin
    2014 年 26 巻 2 号 p. 67-74
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/02/09
    ジャーナル フリー
     水資源管理全体の中で時代変化に対応しながら、柔軟的、合理的、個別的な農業用水管理ができるよう、農業用水管理制度と農業水利権を再デザインしていくことが、重要課題として残されている。水資源管理のサスティナビリティを追求する上でも、農業用水管理制度の改革の方向性と、改革実現に伴う論点に関する深い議論が求められる。本稿では、複雑で特殊とされる日本の農業水利権を体系的・相対的に捉え直すことを目的に、プロパティ・ライツ制度の分析枠組みを適用して、資源管理上、重要と考えられる構成要素を析出し農業水利権の制度的特徴を検討した。水利制度改革が進むオーストラリアと比較しながら、農業用水の集団的管理という日本的特徴は、個別レベルでの排他性、移転性、分割性において不完全度が相対的に強いことに由来することを明らかにした。さらに、管理制度デザインの課題に関して農業用水と農地の管理制度の整合性など包括的な論点も提示した。
書評
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