水資源・環境研究
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26 巻, 1 号
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研究ノート
  • 山内 翔太, 矢嶋 巌
    2013 年 26 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/01
    ジャーナル フリー
     日本最大の広さを有する琵琶湖を事例に、釣りや駆除事業との関係性から、琵琶湖における外来魚問題と地域社会のあり方について、地域住民と釣り人への聞き取りをもとに考察し、琵琶湖を健全な状態へ近づけるための方策について考えた。琵琶湖で外来魚の根絶は不可能と考えられるが、数を抑制するためにも外来魚駆除を継続し、再び在来種が生息できるようにするための環境保全活動を行うことが重要である。また、釣り人の協力を促すには、外来魚回収いけすの増設や、新たなルール作りが有効であると考えられる。外来魚駆除の取り組みが、今後も地域住民とかかわる形で継続的に行われれば、身近な存在である琵琶湖の自然環境と生態系を地域資産と捉えることができ、琵琶湖からの水辺離れを食い止め、生態系や水辺環境が豊かであった琵琶湖の元の状態に近づけることが可能である。
  • 水野 亮
    2013 年 26 巻 1 号 p. 7-14
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/11/01
    ジャーナル フリー
     本稿は、佐渡の農家がトキ野生復帰の取り組みをどのように受け止め、それによってコメ産地としてどのような変化を遂げてきたのかを、各種統計や筆者が実施した農家への聞き取り調査の結果から考察した。トキの餌場を増やす必要性と2004年の台風被害以降しばらく続いていたコメ産地としての厳しい状況を抜け出す必要性から環境保全型農業の取り組みが進み、2008年から「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度が始まった。農家への聞き取り調査から、佐渡の農家を五つの類型に分け、農家の中には認証米の参加に積極的な農家と消極的な農家がいることがわかった。積極的な農家は、環境に配慮した栽培を行うことによって他の農家との差別化を図り、コメを優位に販売したいという意図があった。一方で、消極的な農家は認証米が抱える生産面や所得面などの課題を意識し、認証米には、あまりメリットを感じていない。認証米の存続には、これらの課題の解決が不可欠となっている。
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