微小菌類を含む種々の菌類に対して,市販されているパーティクルボードの耐朽性を評価すべく実験を行った。また,ボードの曲げ強度に及ぼす菌類の影響も調べた。
ボードの重量減少率は,菌の種類によって変動した。かっ色腐れ菌オオウズラタケは,メラミンユリア樹脂製ボードに大きな重量減少率を生じたが,フェノール樹脂製ボードを腐朽しなかった。一方,白腐れ菌カワラタケは場合によって,メラミンユリアボードよりもフェノールボードに,より大きな重量減少率を生じた。JWPA規格3号で評価した場合,一般にボードの耐朽性は高かった。ボードの曲げ強度は,腐朽の進行とともに急激に減少した。同一重量減少率では,メラミンユリアボードとフェノールボードの強度減少間に,差を認めることは出来ない。微小菌類の攻撃によるボードの重量減少率は極めて小さかった。しかし,chaetomium globosumはボードの木材に軟腐朽空洞を生じた。また,微小菌類はボードの強度を,いく分減少した。
以上の結果より,構造用ボードに対して耐朽性を与える技法の確立が望まれる。この場合,木材腐朽菌に加えて微小菌類にも注意が向けられねばならない。
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