文献の総説、動物試験から得られた情報及び未発表の疫学上の資料を、C.C,A.木材防腐剤中の砒酸化合物と三価砒素との間の急性毒性と慢性毒性の相違を実証づける為に此処に提出した。砒酸塩は亜砒酸塩よりも毒性が少い事を示した。砒酸塩には変異原性は無く、人にとっても催奇形性の恐れは無い。砒素は動物実験では発癌性は無い。五価砒素が発癌性であると言う証拠は無い。砒素が発癌剤として関係が有りとされる唯一の証拠は、亜砒酸塩と三酸化砒素の様な或る種の三価砒素化合物が大量摂取されたり、大量吸入された時とが、硫黄、硫酸塩、二酸化硫黄の様な発癌促進剤が大気中に存在する時と関係が有る。微量の砒素は砒酸塩として或るいは亜砒酸塩としてでも健康を保つ為には必要な微量元素であろうし、又動物でも人でも癌の発生を防ぐのに価値が有るかも知れないと言う確実な証拠が有る。此の様な癌の発生を阻止する作用は五価砒素に暴露した2つの疫学的研究によって証明されている様に見えるが、そのうちの1つは明かに砒素剤で処理した木材の加工に従事した大工について疫学的に研究した成果である。
抄録全体を表示