外装材料の藻類による汚染の発生状況調査から,汚染原因の主要な藻類であることが判明したProto-coccus viridisを用いて,実験室スケールの培養試験で,防藻剤の効力評価を行う方法を提案した。得られた主な結果を以下に示す。
1.薬剤希釈液中でP. viridisの培養試験を行い,透過型クロロフィル測定装置により透過光の吸光度を測定することによって,細胞の増殖に対する薬剤そのものの防藻効力が定量的に確認できた。薬剤のタイプ別の効力や濃度の影響は,培養期間が14日以上経過した時点で明らかな傾向が認められた。
2.耐候処理を行った塗装皿でのP. viridisの培養試験を行い,反射型クロロフィル測定装置により,反射光の吸光度を測定することによって,薬剤を混入した塗料の防藻効力が定量的に確認できた。耐候処理として4週間水浸処理したのち14日間培養試験を行った結果が,5カ月間促進屋外暴露試験を行った結果とよく一致した。
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