市販されているMDFならびに防腐剤混入法によって作成した防腐MDFの耐朽性を室内腐朽試験で調べた。その結果,MDFの耐朽性は接着剤の種類やファイバーの原料素材の耐朽性に影響されることを明らかにした。また,接着剤混入防腐処理において,3-ヨードー2-プロピニルブチルカーバメイト(一般名:IPBC)を主成分とする乳化製剤および同一主成分の油溶性防腐剤はほぼ同様の防腐性能を示し,4-クロルフェニルー3-ヨードプロパギルホルマール(通称:IF-1000)右よびα-(4-クロロフェニル)-α-(1-シクロプロピルエチル)-1H-1,2,4-トリアゾールー1-エタノール(通称:シプロコナゾール)を主成分とする油溶性防腐剤では,フアイバーの原料樹種にかかわらず,耐朽性向上が認められた。これらのことから,接着剤混入防腐処理がMDFの耐朽性向上に有効な手法であることを明らかにした。
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