異なる含水率と厚さをもつ単板をホウ酸アンモニウムあるいはブロモフェノール樹脂を含んだフェノールホルムアルデヒド樹脂を用いて結合してLVLを製造した。接着剤の塗布量は片面200g/m2とした。接着層付近の難燃薬剤の分布を調べるために,単板を2枚積層したLVL試験体の断面をX線光電子分光分析装置(XPS)を用いて解析を行った。臭素はプレス中に接着層から移動したが,その分布は単板の初期含水率の影響を受けた。XPSを用いて解析したところ,全乾状態の試験体よりも高い含水率をもつ試験体のほうが,薬剤がより広範囲に広がっていることがわかった。材中の薬剤の浸透は単板の初期含水率と厚さによって影響をうけ,難燃性能の向上および厚さ膨張率の低下に対して効果があることがわかった。
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