木材保存
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34 巻, 2 号
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総説
解説
研究論文
  • 谷内 博規, 関野 登, 山内 剛
    2008 年34 巻2 号 p. 60-68
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/08/01
    ジャーナル フリー
    プレーナー屑を型枠中で密度110kg/m3に圧縮し, これを防湿フィルムで被覆した断熱材(木質小片断熱材)を製造した。この断熱材を木造軸組のモデル壁体に充填し, 耐火試験を行って, 遮熱性と柱の断面欠損を調べた。比較対照は中空壁およびグラスウール充填壁とした。その結果, 木質小片断熱材を充填した壁体では, 遮熱性が中空壁やグラスウール充填壁よりも優れ, 準耐火構造相当の遮熱性が認められた。また, 加熱60分後の柱の断面欠損率は, 木質小片断熱材を充填した場合, グラスウール充填壁の約60%に抑制され, 構造安全性の面でも木質小片断熱材の優位性が示唆された。
  • 酒井 温子, 岩本 頼子, 伊藤 貴文, 佐藤 敬之
    2008 年34 巻2 号 p. 69-79
    発行日: 2008年
    公開日: 2011/08/01
    ジャーナル フリー
    窒素雰囲気下で熱処理されたスギ辺材およびアカマツ辺材の耐朽性, 耐蟻性および吸湿性を検討した。熱処理の温度は140~240℃で, 熱処理の時間は24時間とした。
    スギ辺材の熱処理木材から木口断面20mm×20mm, 繊維方向10mm の試験片を切り出して, オオウズラタケおよびカワラタケによる12週間の強制腐朽試験を実施したところ, 処理温度が高いほど腐朽による質量減少率は低下し, 220℃および240℃の処理で質量減少率は1%以下となった。また, ファンガスセラー試験においても, 12カ月経過時点で, 無処理試験体の腐朽度が5となっても, 220℃および240℃処理試験体の腐朽度は0のままであった。一方, 室内耐蟻性試験では, 240℃処理試験体のイエシロアリ食害による質量減少率は11%であり, 耐蟻性は十分ではなかった。
    JIS K 1571: 2004に準拠した野外試験の結果, 奈良県森林技術センター明日香実験林におけるスギ辺材熱処理材の腐朽とヤマトシロアリによる被害も, また鹿児島県日置市吹上浜におけるアカマツ辺材熱処理材のイエシロアリによる被害も, 処理温度が高いほど軽減されることが明らかになった。
    高い生物劣化抵抗性を示す熱処理木材は, 吸湿性も大きく低下しており, 両者に密接な関係があることが示唆された。
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