木粉含有率26.5%から55.8%の木粉とポリプロピレンとの複合材(WPC)を, 実大装置を用いて押出成形により調製し, 土中埋設試験及びファンガスセラー試験により耐朽性を評価した。4年間のファンガスセラー試験により, 木粉含有量が40%を超える試験片において5%以上の質量減少が見られた。3年間の土中埋設試験の結果, 質量減少率は木粉含有率と共に増大し, つくばでの試験3年後では木粉含有率40%以上の試験片において12~20%の減少率を示したが, 木粉含有率30%以下ではほとんど質量減少は生じなかった。
WPC は長期間の湿潤状態においては水分が徐々に浸透し, 表層部の木質部分は腐朽可能な含水率に達する可能性がある。これは木粉含有率の影響を強く受けるため, 木粉含有率40%以上のWPC では接地条件等の過酷な条件では表層部の耐朽性に留意する必要がある。
抄録全体を表示