木材保存
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39 巻, 1 号
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解説
研究論文
  • 小林 正彦, 久保 智史, 木口 実, 片岡 厚, 松永 正弘, 川元 スミレ, 大友 祐晋
    2013 年 39 巻 1 号 p. 7-15
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/12
    ジャーナル フリー
    木材-プラスチック複合材料 (混練型WPC) は, 環境適合材料の一つとして世界的に注目されている材料である。WPC はデッキ材等のエクステリア材料が主用途となっているため, 屋外での使用に際しての耐久性の評価に対する関心が高まっている。WPC の耐久性はWPC 中の木材とプラスチックの量比により変化するため, WPC 製品中の木材及びプラスチック含有量を定量する必要が生じている。本研究ではまず, 示差走査熱量分析 (DSC) 法を用いた簡便な手法でWPC 中のプラスチックの定量を試みた。次いで, 非破壊分析法として全反射法によるフーリエ変換赤外分光分析 (FTIR-ATR) 法による木材及びプラスチックの定量分析を試みた。その結果, 示差走査熱量法, 赤外分光分析法, 共に精度の高い検量線を引くことが可能であり, WPC 中の木材やプラスチックの含有量を定量できることが明らかとなった。
  • 原田 寿郎, 片岡 厚, 松永 浩史, 上川 大輔, 亀岡 祐史, 木口 実
    2013 年 39 巻 1 号 p. 16-23
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/12
    ジャーナル フリー
    難燃薬剤を注入し, 塗装した木材について, 2000時間までの促進耐候性試験, 48か月までの屋外暴露試験を行い, 暴露時間が防火性能に及ぼす影響について検討を行った。使用した薬剤は変性カルバミルポリリン酸アンモニウムを主成分とする難燃薬剤A, リン酸グアニジンを主成分とする難燃薬剤Bの2種類であった。使用した塗料は, すべて油性の, [1]含浸・半透明型塗料 (茶色系), [2]半造膜・半透明型 (茶色系), [3]造膜・隠蔽型(白色系), [4]造膜・透明型, [5]造膜・隠蔽型 (白色系) の5種類であり, このうち, [1]と[2]は下塗りから上塗りまで同じ塗料を2~3回塗り重ねるタイプ, [3]と[4]は専用のウッドシーラーを下塗りして素地安定化させた後に上塗り塗料で仕上げるタイプ, [5]は1回塗りタイプであった。その結果, 防火性能は薬剤残存量に依存すること, 塗装することで, 薬剤の溶脱をある程度抑制できることを示した。特に薬剤B, 塗料[1], [3], [4]の組合せでは, 薬剤残存量の低下はあるものの, 屋外暴露48か月後も初期性能である準不燃材料レベルの防火性能が維持できることを明らかにした。
資料
  • 酒井 温子, 池上 智重, 民谷 浩二
    2013 年 39 巻 1 号 p. 24-31
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/03/12
    ジャーナル フリー
    アセチル化木材 (ラジアタパイン辺材, アセチル化度19%以上) と16種の高耐朽性樹種等について, JIS K 1571: 2010「木材保存剤-性能基準及びその試験方法」5.2.1.1注入処理用に準拠して, 室内耐朽性試験を実施した。その結果, 腐朽操作前に耐候操作(流水中の浸せきと60°C乾燥の10回繰り返し) を実施しても, 今回使用したアセチル化木材は, イペ, ウリン等の一部の高耐朽性樹種と共に, オオウズラタケおよびカワラタケによる質量減少率が3%以下となり, 高い耐朽性と耐候性を有すると判断された。また, 今回使用したアセチル化木材は, 4m の板材の木口端部付近のみならず中央付近においても, 同様の高い耐朽性能を示した。一方, 一般に高耐朽性樹種と呼ばれる木材の中には, 腐朽操作前に耐候操作を実施すると, 腐朽による質量減少率が増加する樹種があった。この特徴を持つ樹種については, 雨水や直射日光に直接暴露される野外よりも, 屋内 (湿潤環境含む) で使用することが適すると考えられた。
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