難燃薬剤を注入し, 塗装した木材について, 2000時間までの促進耐候性試験, 48か月までの屋外暴露試験を行い, 暴露時間が防火性能に及ぼす影響について検討を行った。使用した薬剤は変性カルバミルポリリン酸アンモニウムを主成分とする難燃薬剤A, リン酸グアニジンを主成分とする難燃薬剤Bの2種類であった。使用した塗料は, すべて油性の, [1]含浸・半透明型塗料 (茶色系), [2]半造膜・半透明型 (茶色系), [3]造膜・隠蔽型(白色系), [4]造膜・透明型, [5]造膜・隠蔽型 (白色系) の5種類であり, このうち, [1]と[2]は下塗りから上塗りまで同じ塗料を2~3回塗り重ねるタイプ, [3]と[4]は専用のウッドシーラーを下塗りして素地安定化させた後に上塗り塗料で仕上げるタイプ, [5]は1回塗りタイプであった。その結果, 防火性能は薬剤残存量に依存すること, 塗装することで, 薬剤の溶脱をある程度抑制できることを示した。特に薬剤B, 塗料[1], [3], [4]の組合せでは, 薬剤残存量の低下はあるものの, 屋外暴露48か月後も初期性能である準不燃材料レベルの防火性能が維持できることを明らかにした。
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