木材保存
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41 巻, 1 号
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総説
研究論文
  • 小林 正彦, 久保 智史, 片岡 厚, 石川 敦子, 松永 正弘, 木口 実, 大友 祐晋
    2015 年 41 巻 1 号 p. 8-17
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/06
    ジャーナル フリー
    WPC は屋外耐久性が比較的高いことから主にデッキ材等のエクステリア材料として利用されているが, その耐久性については木粉率の影響が大きいことから, WPC 製品中の木粉率やプラスチック率を簡便な手法で定量的に分析する技術が望まれている。前報で示差走査熱量分析(DSC)法と全反射法フーリエ変換赤外分光分析(FTIR-ATR)法により, 木材とポリプロピレン(PP)を原料とする WPC において, 木粉率と PP 率をそれぞれ簡便に定量できることを明らかにした。しかし, WPC製品の主原料の一つである再生プラスチックは, PP とポリエチレン(PE)の混合物であることが多いため, PP のみならず PE を含む WPCについても上記の定量分析法の適用性を検証する必要がある。そこで本研究では, 木材とポリエチレン(PE)を原料とする WPC を対象として, DSC 法と FTIR-ATR 法により, PEを定量するための検量線を作成した。さらにこの検量線と前報で得た PP 定量のための検量線を, 検定用に製造した WPC(木粉および PP/PE 混合物等を原料とする配合既知の試料)に適用することにより, 定量分析の精度を検討した。その結果, FTIR-ATR 法を用いた場合に, プラスチック原料が PP と PE の混合物である場合においても, PP 定量のための検量線と PE 定量のための検量線を併用することにより, WPC 中の木粉率やプラスチック率を比較的正確に定量できることが示された。
資料
  • 酒井 温子, 小原 光博, 村上 茂之, 和田 朋子, 鮫島 正浩
    2015 年 41 巻 1 号 p. 18-25
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/06
    ジャーナル フリー
    屋外に設置されていた遊具の木製支柱が折損し,そこで遊んでいた子供達が落下してけがをするという事故が発生した。この支柱は電柱の再利用材で,遊具として約18年間使用されていた。支柱の根元には古タイヤが12個連続して被されており,事故はタイヤ被覆部における曲げ破壊が原因であった。タイヤ被覆部とその上部では腐朽が進行しており,折損部の外周部分では,腐朽による質量減少率が40%以上と推定された。支柱の直径は元来約30cm であったが,折損部においてほぼ健全と思われる領域は中心部分の直径13cm 程度しかなく,この部分の曲げ強さは健全時の8%程度と見積もられた。また,支柱表面の6カ所からワタグサレタケが,折損部の断面の1カ所からオオウズラタケが分離された。これらの菌が支柱の腐朽に関与したと考えられた。
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