木材保存
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43 巻, 6 号
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総説
研究論文
  • 原田 寿郎, 上川 大輔, 片岡 厚, 石川 敦子, 亀岡 祐史
    2017 年 43 巻 6 号 p. 322-327
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
    難燃薬剤を注入し,塗装した木材について,60か月までの屋外暴露試験を行い,屋外暴露 が難燃薬剤の溶脱並びに防火性能に及ぼす影響について検討を行った。使用した薬剤はリン酸グアニジンを主成分とする難燃薬剤に溶脱を抑制するためフェノール系の添加剤等を加え て改良したものであった。使用した塗料は,すべて油性の,①含浸・半透明型(茶色系), ②半造膜・半透明型(茶色系),③造膜・隠蔽型(白色系),④造膜・透明型(クリア系)の 4種類であり,このうち,①と②は下塗りから上塗りまで同じ塗料を2~3回塗り重ねるタ イプ,③と④は専用のウッドシーラーを下塗りして素地安定化させた後に上塗り塗料で仕上 げるタイプであった。その結果,フェノール系の添加剤を加えることにより,難燃薬剤の残 存量低下を抑制できること,60か月までの屋外暴露においても塗装した場合は準不燃材料の, 無塗装であっても難燃材料レベルの防火性能を保持できること,塗装では③と④がより有効であることが明らかとなった。
資料
  • 池田 学, 宮内 輝久, 茂山 知己, 須貝 与志明
    2017 年 43 巻 6 号 p. 328-339
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/02/01
    ジャーナル フリー
    保存処理材中のビフェントリンの定量分析を目的とした木材抽出液の精製方法とコアシェルカラムを用いた高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析の高速化を検討した。ビフェントリン溶液と超音波抽出したベイマツ,ベイツガ,オウシュウアカマツ,スプルース,ヒノキ,スギの各心材のメタノール抽出液のクロマトグラムを比較した結果,オウシュウアカマツ,ヒノキ,スギの抽出成分がビフェントリンのピークと重なることがわかった。オウシュウアカマツの抽出成分はPrimary-Secondary Amine(PSA)を用いた分散型固相抽出により,ヒノキとスギの抽出成分はシリカゲルカートリッジを用いた固相抽出により除去することが可能であった。各樹種の心材木粉に対するビフェントリンの添加回収試験の回収率は96%以上であった。HPLC 分析では,コアシェルカラムの充填剤の粒子径を5μm から2.6μm に変更するとともに,カラム長と内径を小さくすることによって,分析時間を短縮することができ,移動相の消費量を抑えることが可能であった。
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