木材保存
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43 巻, 4 号
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研究論文
  • 江部 憲一, 関野 登
    2017 年 43 巻 4 号 p. 182-195
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/04
    ジャーナル フリー
    木材-プラスチック成形複合材(WPC)に対して促進耐候性試験(キセノンランプ法:JIS K7350-2)を実施し,WPC の表面劣化現象における,屋外暴露試験に対する促進耐候性試験の促進性および相関性を検討した。促進性および相関性は,試料表面のチョーキング量を表面劣化の指標とし,評価した。促進耐候性試験後にそのままチョーキング量を測定すると,その最大値は屋外暴露試験の場合よりも大きな値をとった。一方,促進耐候性試験後に蒸留水でWPC を超音波洗浄し,その後チョーキング量を測定すると,屋外暴露試験におけるチョーキング量の最大値に近い値をとることが明らかとなった。超音波洗浄した場合における,キセノンランプ法の屋外暴露試験法に対する促進倍率は,およそ7~9であった。促進耐候性試験片の表面層を各種機器分析によって解析したところ,木材とポリオレフィンの劣化がともに生じていることが明らかとなり,これは屋外暴露試験片表面層の機器分析結果と比較的類似していた。したがって,キセノンランプ法による促進耐候性試験によって,屋外暴露試験におけるWPC 表面の劣化状態をある程度再現できることが明らかとなった。
資料
  • 木村 吉晴, 松本 崇, 若菜 繁, 勝沢 善永, 安井 弘之, 樋田 淳平, 金城 一彦
    2017 年 43 巻 4 号 p. 196-203
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/04
    ジャーナル フリー
    基礎断熱工法の普及と共に,土中から基礎断熱材内部を這い上がり土台や柱等の木材をシロアリが食害する被害が発生している。断熱材内部からのシロアリ這い上がりを防止する為,押出法ポリスチレンフォーム保温材の原料に防蟻剤を添加して製造した防蟻断熱材と防蟻断熱材の目地や基礎貫通配管回りなどの防蟻措置のため,防蟻剤入り接着剤を上市した。これら防蟻材料の防蟻性能が長期的に維持されることを確認する為,実際の使用状況に近い試験棟に防蟻材料を設置して長期にわたり防蟻性能を確認した。本報では(公社)日本木材保存協会の認定品である防蟻断熱材スタイロフォームAT について,屋外に設置した基礎外断熱を想定した試験棟の10年間に亘る観察結果とその試験棟より設置5年後及び10年後に採取した防蟻断熱材スタイロフォームAT の防蟻剤残損量測定及び室内防蟻試験を行い,防蟻性能が施工後10年以上経過しても有効であることを確認した。
情報
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