木材保存
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44 巻, 6 号
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特別寄稿
研究論文
  • 松永 正弘, 松永 浩史, 石川 敦子, 小林 正彦, 神林 徹, 片岡 厚, 木口 実
    2018 年 44 巻 6 号 p. 357-366
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/02/01
    ジャーナル フリー
    本研究では超臨界二酸化炭素中で熱処理した木材の耐朽性を評価した。実験試料は土中埋設試験にはスギ心材試片を,室内強制腐朽試験にはスギ辺材試片を用いた。試片を全乾または含水率11%に調整し,超臨界二酸化炭素中で熱処理を行った。そして,熱処理試片を二箇所の試験地に埋設し,5年間の質量変化を測定した。その結果,処理温度と処理時の含水率が高い熱処理試片ほど,腐朽による質量減少率は小さくなった。この結果から,高い処理温度と試片に含まれる水分が木材成分の熱分解を促進し,平衡含水率が低下することで耐朽性が向上することが示唆された。また,室内強制腐朽試験の結果,超臨界二酸化炭素中で熱処理した試片の方が常圧の水蒸気中や窒素中で熱処理した試片よりも高い耐朽性を示した。超臨界二酸化炭素中での熱処理は高温高圧下で行われるため,試片中の水分の反応性が高まり,木材成分の分解が速やかに進行したものと推測される。
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