枝打ち,間伐などの施業と,スギ心持ち正角の目視等級区分及び曲げ性能との関係について検討した。無施業林と施業林より丸太を供試して心持ち正角に製材,乾燥した後,針葉樹の構造用製材の日本農林規格に従った目視等級区分,及び実大曲げ試験を行った。その結果,以下のことが分かった。1)目視等級区分の結果,無施業林では2級の割合が高かったが,施業林では1級の割合が高くなった。この差異は,材縁部での最大節経比と集中節径比が影響していた。2)実大曲げ試験の結果,
MOEと
MORは無施業林では7.36 kN/mm
2,40.7 N/mm
2,施業林では7.52 kN/mm
2,43.2 N/mm
2 であった。
MORの信頼度75%の5%下限値はそれぞれ29.1 N/mm
2,32.1 N/mm
2 であった。施業林では,曲げ性能のバラツキが全体的に小さくなる傾向が認められた。3)目視等級区分と
MORとの関係では,施業林は無施業林よりも各目視等級区分でのバラツキが小さくなる傾向が認められた。
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