宮崎県産スギ大径材及びそれから得られる平角について,材料特性を把握するとともに曲げ性能を調べた。丸太の縦振動ヤング係数(
Et)は,1番玉は2番玉に比べて約19%低かったが,1番玉から側面定規挽きにより製材された心去り材と2番玉から中心定規挽きにより製材された心持ち材とでは,曲げ強さ(MOR)は2%程度しか変わらず,有意差もなかった。丸太の
Etと製材した平角の
Etの関係をみると,心持ち材(2番玉)では約2%しか増加しなかったのに対し,心去り材(1番玉)では約25%も増加した。これらのことから,側面定規挽きは強度性能を向上させる有効な製材方法であることが確認された。また,その効果は
Etが低く細り率(
Tr)の大きい丸太ほど現れやすいことが示された。
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