青変した木材の高付加値利用を目的として,カナダ産ロッジポール・パインの青変材と健全材を用いて熱処理による色値変化,物性変化および色値変化と物性の関係を検討した。青変によって
a*値と
b*値が著しく低下した。200℃3時間以上の熱処理では青変材の
a*値と
b*値が著しく向上したため,目視で青変材と健全材との区別がつかないようになった。青変材の寸法安定性は健全材と比較して有意差が認められなかった。青変は曲げ強度と曲げ弾性率に対して顕著な影響が見られなかった。熱処理した青変材も健全材も,その色値
L*及び色値
a*と木材の各物性指標との間に顕著な相関関係があり,特に平衡含水率との間に0.1%レベルで高い相関が認められた。熱処理した木材の色値
L*と
a*を用いて熱処理材の平衡含水率,膨張率,収縮率とMORなどの物性値を推定することが可能である。
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