木材と金属の摩擦は,木材の変形加工の際に考慮すべき重要な因子である。本研究では,木材の変形加工の際に発生する1MPa以上の高圧力下における摩擦特性を明らかにするための基礎的研究として,含水率の影響に着目して検討を行った。垂直荷重
Nは3段階(1,5,10kN)に変化させて摩擦係数を測定した。摺動中の摩擦係数
μsは含水率の増加とともに増大した。しかし,飽水試料では潤滑効果により
μsは低下した。また,
μsは木材が変形することで低下し,大きく圧密された状態では増大した。このことから,高圧下における摩擦特性は木材の変形特性の影響を大きく受けることが分かった。一方で,
μsは木材の変形状態に影響を及ぼすことも明らかとなった。
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