木材学会誌
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61 巻 , 1 号
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総説
  • 河本 晴雄
    2015 年 61 巻 1 号 p. 1-24
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2015/01/29
    ジャーナル フリー
    セルロースは木質バイオマスの主要な構成成分であることから,その熱分解の化学についての深い理解は,急速熱分解,ガス化,炭化,半炭化などの熱分解をベースとした木質バイオマスの変換技術を高度化する上で重要である。また,このような知見は,木材乾燥やセルロースとプラスチックとの複合化など,木材およびセルロースの高温処理技術においても重要となる。セルロースは,300℃以上の高温度域において急速に熱分解されるが,200℃以下の比較的低温度域においても,ある種の熱分解反応は進行する。本総説では,化学反応とその分子機構に着目して,セルロースの熱分解について概説する。
カテゴリーII
  • 斎藤 幸恵, 山本 篤志, 太田 正光, 有馬 孝禮, 内海 泰弘, 古賀 信也, 門松 昌彦, 坂野上 なお, 山本 博一
    2015 年 61 巻 1 号 p. 25-32
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2015/01/29
    ジャーナル フリー
    伝統技術による檜皮採取が剥皮木の木部性質を変化させるか否か明らかにすることを目的として,檜皮採取前後のヒノキ木部ヤング率,セルロースミクロフィブリル傾角(MFA)について検討した。同一林分のほぼ等しい環境に生育する>69年生ヒノキペア5組を選定し一方から檜皮を一度採取し他方を対照木とした。採取年およびその前後に形成された計<18年輪について放射方向に連続的に試料採取し,同一の母細胞から形成された試験体を作製,ヤング率とMFAの変化を年輪毎に平均し時系列で比較した。剥皮・対照木の個体差を除くため,ある年に形成された年輪の測定値と前年輪の測定値の差を,その絶対値の総和で割り標準化した「変化率」で比較した。その結果,檜皮採取に起因した明瞭な変化は認められなかった。熟練原皮師による形成層を傷つけない方法による檜皮採取は少なくとも,環境や遺伝的要因による変動を上回る木部性質の変化は及さないと結論づけられた。
カテゴリーIII
  • 松原 独歩, 中野 貴啓, 島田 勝廣, 船田 良, 服部 順昭
    2015 年 61 巻 1 号 p. 33-39
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2015/01/29
    ジャーナル フリー
    ボルトで接合された木材接合における締付け速度がトルク係数に及ぼす影響を調べるために,締付け速度を5段階に設定して締付け試験を木造建築物に使われる針葉樹4種を用いて行った。締付け速度の増加に伴いトルク係数は減少傾向を示し,20rpmで樹種間の差異は小さくなることが明らかとなった。この傾向は,コントロールである木材を挿入しない金物のみの結果と同様であった。このことから,木材のボルト接合の締付けトルク設定に必要なトルク係数は,木材を挿入しない金物のみの締付け試験から算出されるトルク係数を採用しても実用上は問題ないことがわかった。さらに,締付け速度を20rpmに設定するとトルク係数のばらつきが小さくできることがわかった。
  • 関野 登, 清野 光咲
    2015 年 61 巻 1 号 p. 40-47
    発行日: 2015/01/25
    公開日: 2015/01/29
    ジャーナル フリー
    構造用木質面材の新たな釘側面抵抗試験の提案を目的に,面材張り構面の釘接合部を想定した一面せん断型の釘側面抵抗(LNR)の試験治具を作製してパーティクルボード(PB:厚さ12mm,15mm)のLNRを求め,その値を二面せん断型の試験方法(ASTM D1037)によるLNRと比較した。その結果,一面せん断型のLNRは二面せん断型の4~6割の値となった。釘打ち縁端距離deを12mmから24mmまで増加させた場合,LNRの増加率は二面せん断型よりも一面せん断型の方が小さかった。試験片の幅中央部と隅角部の2種類の釘打ち位置でLNRを比較した場合,どちらの試験方法およびde=12,18,24mmのいずれの試験条件でも両者の間に有意差は認められなかった。また,促進劣化処理によるLNR残存率は,一面せん断型の方が二面せん断型より2~10%だけ高かった。
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