木材学会誌
Online ISSN : 1880-7577
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62 巻, 2 号
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総説
  • 塔村 真一郎
    2016 年 62 巻 2 号 p. 27-41
    発行日: 2016/03/25
    公開日: 2016/03/28
    ジャーナル フリー
    近年の大規模木造建築物には,大断面の構造用集成材やCross-Laminated Timber(CLT)のような構造用木質材料の使用が不可欠である。構造用木質材料の強度性能を設計通り発揮させるためには,接着が適正に行われていることが前提となり,使用する接着剤も耐久性への信頼が高いものに限られる。構造用木材接着剤としては,長い間レゾルシノール系樹脂接着剤などが使われてきたが,近年水性高分子-イソシアネート系接着剤や,最近欧米では1液ポリウレタン接着剤も使われ始めている。これらイソシアネート基の反応をベースとした接着剤は,レゾルシノール系接着剤とは化学構造や物性が異なる。したがって,構造用木材接着剤の要求性能や評価法について再検討する必要があり,規格も各国で整備されつつある。そこで本稿では,現行の構造用木材接着剤に要求される接着性能に関する規格とその評価法について概説する。
カテゴリーII
  • トドマツ材の節の量の違いが住宅の居間の内装材の評価に及ぼす影響
    松本 久美子, 川等 恒治, 斎藤 直人, 佐々木 三公子, 川端 康弘
    2016 年 62 巻 2 号 p. 42-48
    発行日: 2016/03/25
    公開日: 2016/03/28
    ジャーナル フリー
    節の量が内装材の見た目の好ましさに及ぼす影響について,トドマツ腰壁材を用いて心理評価を実施した。評価には,人の選択や評価は,対象物のみではなく,対象物が用いられる状況や場所にも強く依存するという,認知心理学の知見を取り入れた。本研究では,節の面積率を因子とし,0~1.32%の範囲で4水準に設定した。また,腰壁材が使われる状況を明確にするため,住宅の居間を評価のシーンとして設定し,タイプの違う4種類の居間の画像を用いた。節の面積率については,その増加とともに好ましさは低減したが,面積率0.86%のまでは半数を超える被験者が,「好き」「やや好き」という肯定的な評価をした。分散分析の結果から,節の面積率には有意差が確認されたが,居間の違いについては,主効果,交互作用とも有意差は見られなかった。結果より,被験者は個々の居間の印象よりも,居間という状況に沿った評価を優先させることが推察された。
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